注文住宅

カフェの風を感じながら非日常を愉しむステキなお家 – ma_home0211さん

「カフェはなぜお洒落なのか。」

その答えを教えてもらえたような気がするma_home0211さん邸。目指した空間を、細部まで分析したからこそ作り上げられた心地よいマイホームは注文住宅だからこそ。おうちの中心にあるアイアン窓が印象的なワークスペースや、アパレルショップ風の収納がある寝室も必見です。

基本情報

お住まい:埼玉県

ハウスメーカー:藤島建設

構造:在来軸組工法(木造)

敷地面積:50坪(40坪+10坪の旗竿地)
延床面積:33坪

家族構成:夫、妻

打合せ期間
間取り:3ヵ月半
内装:6ヵ月

非日常を楽しむカフェ風のキッチン

ma_home0211さん邸のおうちの顔は、なんといってもこのカフェを彷彿させるキッチン。

「生活感が出る家事場(水回り)の中で、キッチンだけは家族の憩いの場であるリビングに併設しています。そこで生活感の出る空間を非日常的な空間にするることで心地よい空間が作れる思い、カフェのカウンターをイメージしたキッチンにすることにしました。」

そうおっしゃるように、細部までこだわり抜かれているこちらのキッチンは、お茶やコーヒーで一休みする時間だけではなく、‟準備する時間”から楽しめる空間を目指されたとか。

あえて独立したかのような空間に

そんな‟準備する時間”から楽しむことを意識したキッチンは、LDKの一部としてではなく、リビングダイニングに併設しながらも‟独立した空間”にしようと心がけたそうです。

「我が家ではオープンになりすぎないよう、オープンキッチンの代表であるアイランドやペニンシュラタイプを採用せず、I型キッチンを使って独立しつつも閉鎖的な空間を作りました。柱はキッチンの四角い箱を感じさせる「辺」の役割をし、更に開放感を与えています。」

お店のように、オープンな空間でありながら、作業場は閉鎖的で目がいかないというつくりを意識されています。

非日常を楽しむ内装に

ma_home0211さんは、非日常を楽しむ空間にするために「キッチンの当たり前をいかに崩し、利便性を損なわない空間にするか」にこだわられたそうです。

そんなこだわりの一部をご紹介させていただきます。
【カウンター部分】
■高めのハイカウンターを採用
■カウンター材は一般的な家庭では採用しない、厚みが6㎝のもので重厚感を
■壁にタイルを使用することで店舗をイメージ

【作業スペース】
■光を反射しないマットなペンキで塗装したダークグレーの壁を採用することで(後述のポーターズペイント)、リビングから見て中が目立ちすぎずひっそりとした空間に
■小窓をつけたりキッチンのワークトップをホワイトにし、光の反射を利用することで、作業する際暗さを感じないように

このように、とても細かい部分の意匠性を意識されたからこそ、ma_home0211さん邸のキッチンが魅力的なものになっているのですね!

ポーターズペイントで塗った壁

ダークグレーの壁は、ポーターズペイントのペンキを採用。

「ひっそりとした閉鎖感のある空間にしたく、暗すぎず明るすぎない絶妙なダークグレー、そして光を反射しないマットな質感が必須条件でした。それらを満たすクロスがないため、ポーターズペイントを採用することにしました。」

ご夫婦で塗装されたそうで、お家作りを体感することができ、より愛着が沸く空間になったそうです。

カップボードにはこだわりを詰め込んで

リビングから中が目立ちすぎないようにと壁の色まで意識した空間ですが、カップボードは見える部分になるため、インテリア性を感じる工夫が施されています。

その工夫の一つ目が、‟既製品に見えないようにすること”。カウンター材と三段のオープン棚にはカップボードと同じ素材を用い、窓は四方枠を設けず三方クロス巻込みにすることで、この空間のために造作したかのような仕様にされています。

二つ目が、‟厨房を意識した天板”。マットなステンレスを採用されています。

三つ目が、‟コンセント”。コンセントカバーは壁の色と同色を採用し目立たないようにされました。

四つ目が‟生活感を見せないこと”。生活感の出る家電などは置かず、厳選した物だけを置くようにされています。置いているキッチン雑貨にも気を配り、木材の色はカップボードと同じ色味のものを、色物は壁と同じマットな素材のものに統一されているそうです。

これらの工夫が、リビングから見たキッチンをよりお洒落にする要素になっているのですね。

毎日使うカフェグッズは見せる収納に

また、カップボードと同じ素材を用いたという三段のオープン棚は、毎日出番のあるカフェグッズを置いて見せる収納に。コーヒー関連の道具も同じ場所に配置し、ひとまとまりの空間にされました。

「オープン棚はホコリがたまるデメリットがありますが、毎日出し入れする物を置けば、空気の流れができるため、ホコリもたまらず快適に使えます。」と、インテリアだけではなく掃除のことも意識されていました。

無印良品のユニットシェルフを用いた家電収納

カップボードには生活感の出る家電などを置かないようにしているというma_home0211さんでしたが、それではどこに置いているんだろう?という疑問にも答えてくださいました。

「リビングに対して垂直になる位置に家電・ゴミステーションを設けています。こちらもリビング側に壁を設けることで、棚自体が目立たないように工夫しています。家電をたくさん置く想定だったので、コンセントもたくさん配置しました。」

そんな棚は、無印良品のユニットシェルフ。ちょうどぴったりなサイズだったそうです。

「床に直置きするゴミ箱は床の色味に合わせたグレーや金属製のものにし、少しでも広く見せるために床と色を分断しないようにしています。自分たちのライフスタイルに合わせて、瓶・缶ゴミは、無印のトタンボックスをゴミ箱代わりにしています。」

リビングから見えない場所にもかかわらず、細部までこだわられていらっしゃいます。インテリアに手を抜かない姿勢が、この、どこから見てもカフェのような空間を作り上げている一つの理由なのかもしれません。

コンロ前の壁はディスプレイスペースに

キッチンのコンロ前には壁を設け、ディスプレースペースを作っていらっしゃるma_home0211さん。すっきりとした空間に見えるよう、奥行きの浅い板を用いることで「棚感のない棚」にされたそうです。

「こちらには、お掃除ブラシやキャンドル、バームなど、日常で使うものもインテリアになるものを選び、飾りを兼ねた収納としても活躍しています。一番目にとまるところに、お気に入りの小物がたくさん飾ることができ、とてもお気に入りです。」

スイッチはおうち型のニッチにはめ込んで目立たないように

そんなディスプレイスペースが設けられたコンロ壁の側面は、LDKで一番目につかない場所になるため、スイッチニッチとマガジンラックを。

「目につかない空間に設けることで、見栄えよりも用途を優先することができます。」

とおっしゃるように、こちらにはリモコンや、車の鍵、レシピ本などのよく見る本を収納されています。
マガジンラック部分は奥行きを最大限にして本をたくさん置けるようにするため、スイッチニッチ部分と異なる奥行きに。また、お家型にして遊び心を加えたことで、愛着のある空間になったとか。

「今ではこちらのお家型ニッチを採用してくださる方がたくさんいらっしゃりとても嬉しいです!」と、参考にしてくださる方も多いそうです。

そんなキッチンは暮らしを楽しいものに

「LDKに対してキッチンの面積をとても大きく取りましたが、夫婦2人で料理を作ることも多く、趣味のお菓子・パン作りをしたり、キッチンで過ごす時間がとても多いため、とても快適です。リビングからの眺めも、生活感を感じさせないようにしたことで、気が散ることもなくとても心地よく満足しています。カフェ風のカウンターにしたことで、家族が料理を作っている風景も絵になり、どんな料理が出来上がるかワクワクする、カフェにいるような気持ちで過ごせています!」

カフェをとことん研究してつくられたキッチンは、暮らしを楽しく、豊かにしてくれているのですね!

アイアンの室内窓がおしゃれなワークスペース


グラフィックデザイナーであるma_home0211さん。建築当時、家で仕事をすることも多く、将来フリーになることも見据えて(現在はフリーになっていらっしゃいます)専用のワークスペースを設けることは必須条件だったそう。

そんなma_home0211さん専用のワークスペースが、LDKの一角に、隣接するように設けられています。

「私は子供の頃から自分の部屋を持ったことがなく、始めて自分の部屋として孤立した空間を持ったのが社会人になってからでした。結局孤立した空間に慣れず、リビングにデスクトップPCを持って行ってしまった経験があります(笑)」

アイアン窓やアクリルの建具を用いることで、程よく仕切られてはいるものの、家族の気配も感じられる空間にされました。

仕事をしながら家事もできる効率の良い空間づくり

旦那様がサラリーマンであることから、ご自身が家事をしながら仕事をすることを想定されていたというma_home0211さん。

LDKに隣接させたワークスペースは、家事動線の起点となるように設計されています。

「自分が日常生活で一番いる部屋がワークスペースなので、そこを起点にした家事動線はとても便利に感じています。データを読み込んでいる間に洗濯、煮込んでいる間に仕事…など、仕事と家事を同時にできるのも、この間取りだからこそだと思っています。」

キッチンの目の前にあることで、お湯が沸く音、電子レンジの音も聞こえ、キッチンの様子を感じ取ることもできるのだとか。

家族の気配が感じられる場所で

家事動線の起点になっているワークスペースは、家の中心にも位置しており、LDKにいる家族の様子、玄関から人が入ってくる様子、2階から降りてくる気配、水回りを使っている気配などが感じられるようになっているとか。

また、アイアンの室内窓からは、リビングの窓越しに庭や門柱を見渡せるため、来客など外の気配も感じることができるそうです。屋内の家族の気配に加え、外の気配までも感じることができることで、安心して仕事に集中できるそうです。

インターネットのLANもここに

また、こちらのワークスペースは家の中心にあり、閉鎖されていない空間のため、LAN配線置き場に一番適した場所なのだとか。

「夫がIT系サラリーマンのため、LANをしまい込んだり隠して置くことに反対、かつ家の中心に置きたいと言っていたため、ワークスペースがあることで、スッキリ収納できました。」

ガラスやアクリルが音を響かせスピーカー代わりにも

小さい部屋であり、かつ、ガラスの室内窓やアクリルの建具など響きやすい素材が揃っていることから、なんと部屋自体がスピーカーの役割を果たすのだそう。

意図されていたわけではなかったそうですが、PCで流れる音楽が壁や建具を伝わってLDK全体に響くため、ご友人が遊びにいらした際、思わずスピーカーを探してしまうほどの音響なのだとか。

いつもカフェミュージックが流れているma_home0211さん邸らしいエピソードです。

アパレルショップのようなオープン収納を配した寝室

寝室というと、ベッドスペースにWICがあるという、あまり遊び心のない空間になっていることが多いと思います。ですが、ma_home0211さん邸の寝室は、寝るだけでは勿体ないと思わせてくれるような空間になっています。

「寝室は寝るだけど思われがちですが、1日のうち1/4以上は過ごす空間であり、働きに出ている夫にとっては一番長い時間を過ごす場所です。体調を崩した際は1日中引きこもる空間でもあります。また夫婦共にファッションが好きなので、楽しくお洋服を選ぶことができるように、寝室は2人のお気に入りをたくさん詰め込み、快適な空間にすることにしました。」

勾配天井で開放感溢れた空間に

そんな寝室の天井は、勾配天井。

「一番天井を見る空間は寝室なので、憧れの勾配天井を寝室に持ってきました。」

スポットライトを設けた火打梁に、部屋全体を覆ったモルタル風のグレーのクロス。ひっそりとした空間ながらも、勾配天井のもたらす解放感が落ち着く空間を作り上げています。

アパレルショップ風のオープン収納

寝室の一角にある、アパレルショップ風の収納コーナー。

「夫の一番の要望が「オシャレなスーツ収納が欲しい」でした。一人暮らしの頃からオープンなスーツ収納ラックを使っていたこともあり、スーツ収納は寝室ですぐ取り出せるオープンな空間が良いという希望から、アパレルショップのような空間にしたらどうかと着想し、このような収納になりました。」

そうおっしゃるこちらのコーナーは、実在するアパレルショップのスーツ売り場を参考に棚の高さを決めるなど本格的。ハンガーを前向きに掛ける部分を設けることで見せる収納感を出したり、背面のクロスは服が引き立つ色をチョイスするなど、こだわりが溢れています。使用頻度の高いスーツや服が集約されているというこちらの収納は、日々の導線を快適にしてくれるのだとか。

遊び心を感じるウォークインクローゼット

中が悪目立ちしないようにコンパクトなサイズにされたというウォークインクローゼットの入り口。こちらは、通常の間口よりも小さく、必要最低限の大きさに。

クローゼット内の奥の壁には、一目ぼれしたインパクトのあるペンギンクロスを採用し、入り口は三角屋根の形にすることで、引きで見た際に、中に何か住んでいる?と思わせるような遊び心を加えられたそうです。

こだわりを詰め込んだ寝室のある暮らしは

「寝転んだ時に天井が高いだけでこんなに快適で開放感を感じられることにびっくりしました。寝転ぶからこその照明の位置など、上の空間を意識したことは本当に良かったと思います。アパレル風オープン収納や一目惚れしたペンギンクロスも、キレイに使おう!という気の引き締めになり、2年弱住みましたが荒れることなくキレイに保てている要因になっています。休日は夫婦で今日はどんな服を着る?とコーデを合わせることが多いので、オープン収納やWICなど服を選ぶ空間が寝室全体になり、広々と楽しい時間になっています!」

随所にこだわりが散りばめられた寝室は、ご夫婦の楽しい会話が聞こえてきそうな空間になっています。

編集後記

ma_home0211さん邸を初めて拝見したのは、シンプルホーム主催のInstagramのルームツアー。どうしてこんなにお洒落なの?テーマのある家だなぁ…と、漠然とした感動を覚えました。

ですが、今回取材をさせていただき、その答えが分かった気がします。

とにかく全ての部屋で、こういう空間にしたい、というイメージをはっきりと描き、とことん分析して作っていらっしゃいました。

私が「カフェ風のキッチンにしたい」と思ったとしても、カウンターの厚みや、あえてクロス巻き込みの窓にすることまでは到底思い付けません。

理想の家を建てたいのなら、目指す空間を決め、自分がなぜその空間が好きなのか、なぜその空間はお洒落なのか、を、細かいところまで分析していくことでおのずと見えてくるモノがあるのかもしれないと思いました。

ma_home0211さん、ありがとうございました。

■今回お話を伺わせていただいたかた
ma_home0211さん

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Daiwa House 〜中庭のある暮らし〜 おうちが大好き♡ ❀シンプルホーム編集部