注文住宅

モールテックスのキッチンが暮らしの中心。理想を叶えた明るいおうち – ____ie.amさん

惚れ惚れしてしまうほどのモールテックス(モルタルの質感をもつ、薄塗りの左官材)のキッチンが主役の____ie.amさん邸。キッチンを中心とした一体空間の間取りや吹き抜けのLDK、家事動線や収納を徹底的に考えられた水回りなど、快適に住まうための工夫が詰まっています。注文住宅だからこそ叶う、暮らしやすさとデザインを両立した____ie.amさん邸をご覧ください。

基本情報

居住地域:関東
都道府県:神奈川県

ハウスメーカー:山下建設
シリーズ:ひのきこころHOWS2000
構造:在来軸組工法(木造)

敷地面積:63坪
延床面積:42坪

家族構成:夫、妻、息子2人

お打合せ回数
間取り:6〜7回
内装:7〜8回

モールテックスで叶える「無骨×ナチュラル」な理想の空間

____ie.amさん邸の顔ともいえる、モールテックスの腰壁で囲んだ存在感のあるキッチン。大胆な窪みをつけた腰壁のデザインやキッチン周りの巧みな色使いに、つい見惚れてしまいます。

「毎日の食事づくりに、趣味のお菓子やパンづくりにと、長い時間を過ごすキッチンはお気に入りの場所にしたいと考え、使い勝手もデザインにもこだわりました。コンクリート打ちっぱなしのような無骨なものとナチュラルなものの組み合わせが好きなので、そういった雰囲気を目指しました」と話すのは____ie.amさん。

モールテックスのグレーとアイアンの黒というモノトーンの中に、温もり溢れる木の素材を合わせたキッチンは、まさに____ie.amさんの理想を体現したかのようです。

デザインと実用性を両立するモールテックスの腰壁

フルオープンのキッチンか、手元が隠せる腰壁付きのキッチンにするか、最後まで悩まれたという____ie.amさん。最終的に、使いやすくデザイン性もあるモールテックスの腰壁付きキッチンを採用されたそう。

「腰壁を付けるならとことんお気に入りのデザインにしようと、少々費用はかさみますがコンクリートの風合いが出るモールテックス塗装にしました。わが家の場合、腰壁が約111cmと高く横幅もあるので、窪みを付けたデザインにすることで空間にアクセントを加えました。カウンターに立ったときやハイチェアを置いたときにちょうど膝が窪みに入るので、実用的でもありとても便利です!」

____ie.amさんのおっしゃる通り、モールテックスの腰壁に大胆な窪みがあることで、よりキッチンを印象付けています。デザインの自由度が効くのもモールテックスの良いところですね。さらに、キッチン側にはスパイスニッチを、ダイニングテーブル側にはコンセントを付けて、使いやすさにもこだわっているそう。

「キッチンにものが溢れないように、キッチン側にも窪みを付けてスパイスニッチをつくりました。ほかにも、コンセントやスポットライトのスイッチなど、いろいろな機能を付けられるので、とても使い勝手の良いキッチンになりました。なにより、食洗機に入れられない洗い物や、調理中の手元などの生活感をしっかり隠してくれるので、腰壁があって本当に良かったです。」

実用性もデザイン性も両立されている____ie.amさんのモールテックスの腰壁は、同じように悩んでいる方のいいお手本になりそうですね。

「ただ、お気に入りのモールテックスですが、濡れたり汚れがついたときにはすぐに硬くしぼった布巾で拭くなど、メンテナンスには少々気を使います。職人さんから、カウンタートップとキッチン側の表面は、2〜3ヶ月に一度セルフでオイル塗装をすると汚れ防止にいいと教わりました。(わが家では、まだしていなかったのでこれを機に塗り直したいと思います…!)」

使いやすさも大切に、メンテナンスが楽な素材も上手に取り入れる

「デザイン重視でものを選んでしまうことも多いのですが、家は何年、何十年と長く住む場所なので、デザインはもちろん暮らしやすさ、使いやすさ、そしてメンテナンスの楽さにも重きを置きました」と____ie.amさん。

たしかに、キッチンを含む水回りの床は全てフロアタイルを選んだり、背面のカップボード天板には木材ではなく吊り戸棚と同じデザインのメラミン化粧板を使ったりと、メンテナンスのしやすさを重視した暮らしやすさへのこだわりも垣間見えます。

「工務店の標準だった無垢床は水に弱いので、水回りの床は迷わずフロアタイルにしました。よく汚れる場所は、洗剤をつけたり水拭きできると安心感が違います。また、黒で統一した主要な家電も、使いやすさを重視してカップボードに並べています。」

モールテックスの腰壁や色を統一した家電など、見える場所はとことんデザインにこだわり、汚れやすい場所には扱いやすい素材を選ぶなど、使いやすさにも追求したとても参考になるキッチンですね。

さらに、____ie.amさんのキッチンがいつもスッキリしていて使いやすい秘密のひとつは、キッチンの横に備え付けられた2畳ほどのパントリースペース。

「調理器具や食器などキッチン関係のものが多いので、長いカップボードと吊り戸棚のほかに、パントリー収納もたっぷり設けました。この場所にある造作収納棚はほとんどが可動棚です。置きたいものに合わせて高さを変えられ、空間を有効に使えるのでとても機能的です。」と____ie.amさん。

さまざまなサイズのもので溢れるキッチン用品も、置くもののサイズに合わせた収納ボックスを選び、可動棚をボックスの高さに合わせて調整することで、すっきり収まっています。

無印良品のトタンボックスやラタンバスケットなどの収納グッズで揃えたパントリーは、とてもおしゃれで真似したくなりますね。

≪キッチン本体仕様≫
タイプ:ペニンシュラキッチン
メーカー:タカラスタンダード
シリーズ:オフェリアカラー:グレージュ

≪背面収納・吊戸棚仕様≫
メーカー:タカラスタンダード(引き出し部)
アイカ工業(カップボード天板)シリーズ:オフェリアカラー:グレージュ

開放感のある吹き抜けリビング

友達家族を招いてワイワイ楽しく過ごせるようにと、開放的で明るいリビングをつくられた____ie.amさん。いつでも家族を感じられる、オープンキッチンをメインにした間取りにも工夫が感じられます。

自然光で気持ちよく過ごせる理想の家

「以前住んでいた賃貸マンションは、南向きのリビングと和室以外の部屋は常に電気が必要だったので、昼間は自然光だけで過ごせるような明るい家が理想でした。」

そう話す____ie.amさんの理想を実現するために欠かせなかったのが、南面に大きく切り取った吹き抜け窓です。

「吹き抜け窓のおかげで、よっぽど天気が悪い日以外、昼間に電気を付ける必要がなくなり、自然光で気持ちよく過ごせています! 吹き抜け窓のロールスクリーンは、開け閉めの楽な電動のものを採用しました。」

木目の天井に取り付けた、シンプルなデザインのシーリングファンも、____ie.amさん邸のおしゃれな雰囲気を格上げしてくれる存在に。カラーはブラックを採用することで、空間にアクセントと統一感が生まれています。

「デザインはもちろんですが、吹き抜けで懸念される空調効率を高めるためにシーリングファンをチョイスしました。おかげで、冬は1階のエアコンを付けるだけで、2階も暖かく過ごせています。」

どこにいても家族を感じられる一体空間のLDK

LDK20帖+和室5帖

1階はリビングダイニング、キッチン、和室と一体空間にすることで、広々と感じられる空間に。小学生と幼稚園児の息子さんがいることが、この間取りを採用した理由だそうです。

「今はリビングのどこにいても息子たちを見ていられること、そしてもう少し大きくなってからは自分の部屋にこもらずリビングで過ごして欲しいという思いがあります。いつでも家族みんなでのびのび過ごせるよう、LDKは一体空間にこだわりました。」

2階の廊下に面したアイアン手摺りのデザインも、視線の抜けをつくることで空間が広く感じられています。手摺りの端っこを壁に埋め込んでシンプルに仕上げるなど、____ie.amさんのこだわりも随所に感じられますね。

「この家にしてからは、キッチンでの調理や後片付けも、家族と話したり様子を見たりしながら作業ができるので寂しくないです」と____ie.amさん。

キッチンをメインにした間取り、そして一体空間の吹き抜け空間が、どこにいても家族を感じられる温かい家をつくっているんですね。

「1点だけ想定外だったのが、音の響き方です。コロナ渦で主人が在宅ワークになり、2階の書斎を使う機会が増えたのですが、吹き抜けだからか音がとても響いてしまって…もう一度家を建てるなら、書斎だけは防音仕様にしたいです。」

動線と収納を考え尽くした、脱衣洗濯室&洗面所

浴室、脱衣洗濯室、洗面所、トイレの水回りを直線上でつなげた____ie.amさん邸。洗面所の隣にトイレを配置し、1階のトイレ内には手洗いをつけないことで、水回りの掃除箇所を減らしたとのこと。

また、1階に浴室と脱衣洗濯室、2階に寝室とWIC(ウォークインクローゼット、以下同)があるため、洗濯や着替えがスムーズにできるようにと、設計段階から家事動線や収納を考えた、快適に暮らすための工夫が詰まっています。

家事動線に工夫が光る脱衣洗濯室

「2.5畳の脱衣洗濯室には造作で収納棚とカウンターを付けてもらいました。私は洗濯物を畳み、しまうという一連の作業が嫌いなのですが、洗濯機横に作業ができる腰高のカウンターを付けたことで、立ったまま洗濯物を畳み、そのまま下にある収納ボックスにしまえるようになりました。」

脱衣洗濯室には子どもの衣類のほか、大人の部屋着や下着も収納しているそう。洗濯後この場所に室内干しをして、カウンター下の収納場所にしまうという、完璧な動線を叶えていますね!

「タオルはドラム式洗濯乾燥機で乾かし、壁に造作した可動棚へしまっています。そのほかの衣類は2階のWICに収納するので、干す場所も2階です。今後は寝室にも室内物干しを取り付ける予定です」と話す____ie.amさん。

造作カウンターと可動棚は、使う収納グッズを設計段階から決めてサイズを合わせたとのこと。

収納用品は規格が変わりにくい無印良品のものなどに統一し、買い足しやすさも念頭に入れて選んだそうです。徹底的に動線と収納を考えて設計された脱衣洗濯室は、とても使い勝手が良さそうです!

生活感を隠したおしゃれな洗面所

名古屋モザイクのタイル・シェヴロンウォールとスタイリッシュカウンターが絶妙にマッチした、おしゃれで可愛い洗面台。タイルの目地はカウンターに合わせてグレーをチョイスしたそうです。

「リビングからも見える洗面台は、来客の際に使ってもらう大切な場所なので、リビングのテイストにも馴染む、おしゃれな空間を意識しました。また、必要な収納スペースをしっかりと設けることで、生活感を出さずに無理なくキレイをキープできていると思います。実は、鏡面の1番右には、大工さんにつくっていただいたティッシュ収納が隠れているんです。」

掃除や身支度のときにサッと使えて便利な反面、生活感の出やすいティッシュも、ひと工夫することで上手に隠しています。____ie.amさんの整えられた洗面所は、収納計画があってこそなんですね。

編集後記

明るい家をつくりたいという理想を叶えた、とても素敵な____ie.amさん邸。

デザインはもちろん家事動線や収納まで、設計段階からこだわりを明確にもつことで、快適な暮らしを実現されています。

モールテックスのキッチンをはじめ、吹き抜けのLDKやおしゃれな洗面台など、色使いや素材のチョイスに____ie.amさんのセンスが散りばめられており、とても参考になりました。

____ie.amさん、ありがとうございました!

■今回お話を伺わせていただいたかた
____ie.amさん

ABOUT ME
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はなむらあや/ライター・整理収納アドバイザー。夫、息子(5歳)、娘(2歳)の4人暮らし。2019年に夫婦で設計した注文住宅が完成。Instagramでは「おしゃれでスッキリした暮らしの始め方」を発信中❀ BLOG LINK:https://www.instagram.com/h_aya_home/