シンプルホーム

DIYで増す愛着。ふたりのこだわりが最大限に詰め込まれたお家 – mt_home_0826さん

ご夫婦ともに大学で建築やインテリアデザインを専攻されていたmt_home_0826さん。住まいへのこだわりは強く、いつかは自分たちの理想やこだわりを詰め込んだ注文住宅をつくりたいという想いのなかで、お子さんの誕生が重なり念願の注文住宅を建てる決意をされたそうです。

プライベート空間が満喫できるLDKやヘリンボーンの床、DIYで叶えた理想のキッチン空間など、mt_home_0826さんご夫婦のこだわりが最大限に詰め込まれたおうちをご覧ください。

基本情報

お住まい:神奈川県

ハウスメーカー:設計事務所
シリーズ:なし
構造:在来軸組工法(木造)

敷地面積:36坪 
延床面積:28坪

家族構成:夫、私、娘2人

打合せ回数
間取り:10回
内装:12回

存分に寛げる、プライベート空間のL字型LDK

以前住んでいたマンションでは敷地内の別の棟からリビングやバルコニーが見えてしまい、外からの視線を気にしながら生活を送っていたというmt_home_0826さん。家族みんなが思う存分寛げるよう、プライベート感を重視してお家づくりをされました。

「住宅密集地のため、1階部分に居住スペースをつくると周りの視線や日当たりが気になること、土地が36坪とコンパクトなので充分な広さが確保できないことを考え、2階にLDKを設計しました」

設計士さんからの提案で、空間に程よい変化が生まれるL字型のLDKを採用されました。バルコニーを挟んで空間が分けられたLDKは、大きな窓からの太陽光がとても気持ちよく開放感がありますね。

リビング部分は勾配天井で開放感を

リビング部分は勾配天井を採用。一番高いところでは4.3mあり、天井付近にも窓を配置することでより開放感が生まれ、とても日当たりが良いそうです。

天井にはシーリングファンを取り付けられたことで、冷暖房の効率をアップさせ、お部屋全体の室温を均一にする効果が期待できます。

バルコニーは壁を高く設計してプライバシーを確保

バルコニーの壁は外からの視線を感じないよう、180cm立ち上げて設計されました。

「この壁のおかげで周りを気にすることなくBBQやお家プールを楽しめています。大きな窓がありますが、カーテンをつけずに過ごすことができます」

バルコニーの壁を高く設計することでプライバシーを確保し、明るく広がりのある空間を演出されています。

リビングからフラットに繋がるバルコニー

バルコニーではお茶やランチをしたり夏にはBBQやプールをしたりと、暮らしを楽しむスペースとして設計されたmt_home_0826さん。

「通常2階にバルコニーをつくるとリビングとバルコニーの間に段差ができるそうですが、我が家はリビングの延長としてフラットに繋がるよう、バルコニー下の1階の天井高を下げて設計しました。バルコニー下の1階部分はほぼビルドインガレージなので天井高を下げても特に気になりませんでした」

リビングとバルコニーをフラットに繋げることで室内空間がより広く感じられ、リビングとの一体感が高まりますね。

リビングからフラットに繋がるよう、DIYでタイルを貼っている途中だそうです。仕上がりが楽しみですね!

すぐに片付けられるリビング収納

LDKにパントリーやクローゼットのような大きな収納は作らず、使う場所のすぐ近くに各所収納を配置することで片付けやすいよう工夫されています。

「我が家はまだ子どもが小さいためリビングで過ごすことが多く、テレビの両端に設けた収納が大活躍しています。おもちゃや工作グッズ、幼稚園の身支度もこの収納の中です。また、掃除用品や日常的に使う生活用品もリビング収納に納めることで使いやすく、片付けやすくなっています」

すっきりと気持ちの良いリビングにするためには、片付けやすさも重要ですね。

収納扉はハイドアでスッキリと

mt_home_0826さん邸のリビング収納は、神谷のフルハイトドアを採用されました。天井いっぱいの開放感あるドアの大きさと、上枠がない独特の納まりが特徴です。

「リビング収納は目立たせたくなかったので、扉はできるだけスッキリしたデザインのものを選びました」

まるで壁と一体化しているような、すっきりとしたデザインはインテリアにも馴染んでいますね。

緩やかにゾーニングされ、プライバシーを確保したL字型LDK

「大きな窓から日差しがたっぷり入ったリビングは気持ちがよく、外からの視線も気にならないのでとてもリラックスして過ごせています。また、L字型のLDKを採用したことでリビングとキッチンが緩やかに分かれているので、子どもたちがリビングで遊んでいるときも大人はダイニングでゆったりお茶を楽しむことができます」

LDKをL字型にすることで同じフロアにいながらも程よい距離感で思い思いに過ごすことができ、とても居心地の良い空間となっているそうです。

リビングを彩る、ヘリンボーンの無垢フローリング

海外インテリアでよく見かけるグレーの壁とヘリンボーンの床との組み合わせがずっと憧れだったと話すmt_home_0826さん。家を建てるなら絶対に取り入れたいと考え、迷いなく採用されました。

また、無垢フローリングは自分でメンテナンスができる点も魅力に感じていたとか。

「以前のマンションでは入居後すぐフローリングに目立つキズを作ってしまい、とてもショックでした。無垢フローリングならキズもある程度は補修ができ、キズも経年劣化で味わいに変わりキレイな状態をキープできると思ったことが決め手でした」

無垢フローリングはお手入れをすることで愛着が生まれ、経年で表情が味わい深くなっていくのも魅力のひとつ。お家の歴史としても楽しむことができますね。

シンプルインテリアで引き算を

ヘリンボーンの床は存在感があるため、インテリアはシンプルを意識されたそうです。壁やソファの色は少し黄味の入ったグレーを選ばれたことで、床のオークと馴染ませています。

「お家が出来上がってみると、テレビ背面に選んだグレーの壁が少し寂しく感じたので、ゆくゆくはタイルなどを貼ろうかと思っています。引き渡し時の完成にこだわらず、実際に出来上がってから少しずつ手を加えると失敗も少なくていいかなと思います」

お家づくりはどうしても完成にこだわってしまいますが、mt_home_0826さんのように住んでから少しづつ手を加え、理想のお家に育てることでより愛着が湧いてきますね。

キッチン周りにもヘリンボーンの床でリビングとの一体感を

無垢フローリングは水に弱いのでキッチン周りは避けがちですが、リビングとの一体感を考え、キッチン周りにも無垢フローリングを採用されました。あまり神経質にならないよう普段はキッチンマットを敷いているそう。

ダイニングまで伸びる無垢フローリングは奥行きが感じられとても美しいです。

コストカットのため、ご自身でオイル塗装

2階の無垢床はコストカットのため、引き渡し後にご主人がオイル塗装を施されました。

自然塗料で安心・安全なオスモカラーのオイルを使用しています。

「赤ちゃんが舐めても安全な塗料だそうで、子どもが小さい我が家にはぴったりでした」

無垢フローリングのメンテナンス

「先日、無垢フローリングの修復を実際に試しました。DIYの部材を床に思い切り落としてキッチンに大きな傷ができてしまったのですが、傷の部分にアイロンを当てたあとヤスリで削ってオイルを塗り直し、ぱっと見では分からないぐらいに修復することができました」

一見難しそうな無垢フローリングの修復も、さくっとトライするmt_home_0826さん。完成後のメンテナンス方法も参考になりますね。

無垢フローリングの暮らしは…

ヘリンボーンの床は大工さんが1枚1枚丁寧に張り合わせるので、完成したときはとても感動したと話すmt_home_0826さん。キッチン周りはオイル塗装を施した効果もあり、水や汚れはサッと拭くぐらいできれいな状態を保てているそうです。

また、以前住んでいたマンションのフローリングは夏は汗でベタベタ、冬は冷たさが気になっていたそうですが、無垢フローリングでは夏はさらさら、冬はほんのり温かみも感じることができ、年間を通して快適に過ごせているとのこと。

「気になっていた傷もメンテナンスできることから子どもがおもちゃを床に投げつけたりしても大らかな気持ちでいられます(笑)。子どもが成長したら年に一度のオイルの塗り直しも家族みんなで楽しめたらなと思います」

住んでからもご家族の手を加えながらお家を楽しまれているmt_home_0826さん。とても素敵ですね。

DIYで叶えた理想のキッチン空間

「LDKの中で一番に目につく場所がキッチンなので、インテリアの主役になるようなキッチンを作りたいと考えました」

ご夫婦ともに料理好きで、子どもたちとよく一緒にパンやお菓子を焼いたりすることから、みんなで囲って作業ができるアイランド型キッチンを採用されました。

また、キッチン用品を集めることが好きなmt_home_0826さんは、お気に入りのキッチン用品に囲まれながら料理を楽しめるようなキッチンを理想とし、見せる収納として飾り棚を活用されています。

こだわりのグレージュカラーキッチン

キッチンは、北欧デザインがおしゃれで自由度の高いクチーナでオーダーされました。

クチーナではキッチンやキャビネットの幅など1cm単位で調整ができ、シンプルなスクエア型のシンク、海外製の食洗機やIHを採用することで、こだわりを詰め込んだキッチンとなったそうです。

「特に面材のグレージュカラーとシーザーストーンの天板がお気に入りです。シーザーストーンはショールームで実際に設置されていたのを見て、他にはないマットな質感に一目惚れでした」

また、キッチンのインテリア性を高めるためにキッチン機器はシンプルですっきりしたデザインのものをチョイス。IHとレンジフードはアリアフィーナ、食洗機はミーレを採用されました。表示やボタンがシンプルなので直感的に使用できる便利さも感じているそうです。デザインだけでなく機能面でも魅力的ですね。

飾り棚とカウンター

「普段使うものこそお気に入りを使いたいという想いで、コツコツ集めたキッチン雑貨たちを飾り棚に飾っています」

毎日使うコーヒー豆用のキャニスターやコーヒーミル、調味料や鍋敷きは飾り棚に収納することで取り出しやすく使いやすくされています。

キッチンカウンターに並ぶ家電は、好みのデザインで選ばれてインテリアとしても楽しまれているそう。お気に入りの家電が揃っていると、毎日使用するたびにワクワクしますね。

シンク下にごみ箱で生活感を隠す

シンクの真下にゴミ箱を設置ことで、生ゴミなど水が滴りやすいものをすぐに捨てられるように工夫が。

ゴミ箱はどうしても生活感を感じさてしまいますが、シンク下に配置することでリビングからは見えず、すっきりと収納されています。

DIYをされたキッチン背面収納(バックセット)

クチーナでバックセットもオーダーする予定でしたが予算の関係で断念されたと話すmt_home_0826さん。

「ただ、理想のデザインはほぼ固まっていたことや元々主人がDIY好きだったこともあり、バックセットはDIYで作ることになりました」

クチーナのショールームで見かけたニュアンスカラーの面材に、木目を組み合わせたものがとても気に入り、デザインの参考にされたそう。

バックセットの下の収納部分はIKEAのメトード、吊り戸棚と木目の引き出し部分はIKEAのベストー、面材と天板と飾り棚はアイカのメラミン材を使用されています。

キッチン本体と揃えた面材

キッチン本体の面材のグレージュの色と一体感を出すために、バックセットの面材も同じもので揃えられました。

「アイカへの注文は個人では出来ないので、設計事務所を通して発注して頂きました。引き渡し後、かつDIYのための部材にも関わらず快く発注してくださり、設計事務所の社長さんには感謝しかありません。

また、アイカのメラミン材はサイズオーダーの特注になるので金具の取り付け位置など細かな寸法の指定が必要でした。1mmでも違うと取り付けができなくなること、またもし寸法が間違っていても返品などできないため、主人が詳細な図面を書いて、間違いがないように確認してから注文しました」

お家づくりへのこだわりの強さが感じられますね。

キッチン背面収納のDIY背景

「途中面材がなく収納が丸見えな時期もありましたが、なんとか思い描いていたバックセットが出来上がりました。手間もかかった分、愛着もひとしおです」

住みながら少しずつ組み立てられたというバックセット。DIYとは思えないほどのクオリティで圧巻です。

使い勝手抜群な棚とうち引き出し

引き渡し後に住みながらDIYされたため、ここに引き出しが欲しいと感じた際は柔軟に変更できる点が良かったと話すmt_home_0826さん。DIYだからこそできたメリットですね。

「フルフラットのアイランドキッチンだとキッチンが丸見えになるので来客時の片付けが大変では?と聞かれることがあるのですが、来客時の料理中などは食洗機があるので片付けながら調理すればそこまでごちゃついて見えないし、片付けについてはキッチンの空間がお気に入りなので苦になりません。これからも毎日こまめにお手入れしつつ、大事に使いたいです」

フルフラットのオープンキッチンは片付けのハードルが高そうなイメージですが、それよりもキッチンへの愛着が上回ると、きれいを保つことへの悩みは感じないそうです。これからお家を建てられる方にも参考になりますね。

編集後記

以前のマンションでは外からの視線を気にしながらの生活を送っていたことから、プライベート感を重視した家づくりをされたmt_home_0826さん。

2階にLDKを設計しバルコニーの壁を高く立ち上げることで開放感はありつつもプライバシーを確保した空間となっています。

また、家族が一番長く過ごすLDKの床は無垢のヘリンボーンを採用され、飽きのこないおしゃれなデザインと無垢の温かみに居心地の良さが感じられますね。

キッチンのバックセットはなんとご自身たちでDIYされたそうで、そのクオリティに驚きを隠せません。

mt_home_0826さんご夫婦のこだわりを最大限に詰め込んだお家は、多くの気付きを与えられたのではないでしょうか。

mt_home_0826さん、ありがとうございました。

■今回お話を伺わせていただいたかた
mt_home_0826さん

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