注文住宅

巧みな空間使いで潤いのある暮らしを実現 – s_gift_zさん

巧みな空間使いで潤いのある暮らしを実現されたs_gift_zさんの注文住宅。モルタルの土間やシューズクローク、こだわりを詰め込んだ北欧モダンな壁付けキッチンなど「暮らしやすさ」が詰まった理想の住まいです。

基本情報

お住まい:北海道
ハウスメーカー:(株)ロゴスホーム
シリーズ:フォルテージduo
構造:2×6工法(木造)

敷地面積:70坪
延床面積:27坪
家族構成:夫、妻、息子、娘

打合せ期間
間取り:2ヶ月
内装:2ヶ月

おうちを映し出す、玄関・シューズクローク

広々としたモルタルの土間に、シューズクロークが続くs_gift_zさんのおしゃれな玄関。

デザイン性の高い照明や季節に合ったグリーンを飾るなど、実用的なだけでなく、インテリアを楽しむスペースとしても大活躍のようです。高窓や姿見ミラーのおかげで得られるという効果についても詳しくお伺いしました。

理想の玄関へ

「玄関ドアを開けて最初に見える景色は、いわばその家の顔になります。理想は土間が広くて、シューズクロークがある玄関でした。」

s_gift_zさんの玄関は、扉を入って奥へと空間が広がり、圧迫感を感じない視覚に配慮された間取りになっています。
設計時は建坪27坪という目標をクリアするために、シューズクロークは諦めるしかないと考えていたということですが階段下スペースの利用を思いつき、ぶじ理想の空間へ。

「段数を調整することで、高さは190cmになり階段下を利用したとは思えない空間を作り出すことができました。小さいスペースながらも自分達の理想を叶えることができました。」

ポイントは「空間の広がり」

「玄関から入って正面に壁が見えるよりも、シュークロへと続く奥行感の方が広がりを感じるのではないかと思います。」

土間は縦長スタイルで、玄関における「空間の広がり」を考慮されました。
また短い辺を玄関ドアに、長い辺に上がり框を採用して、靴の脱ぎ履きで渋滞が起きないことに重点を置かれたそうです。デザインだけではなく機能性も考えた間取りになっているんですね。

「空間の広がり」を演出するアイテム

そんな土間の形以外にも「空間の広がり」を素敵に演出しているアイテムがあります。それは高窓と姿見ミラーの存在です。
採光のために、外からの視線を避けて高い位置に設置したFIX窓と、横貼りに設置した姿見ミラー。このふたつの長方形のシルエットがリンクしていて、うまく空間に広がりを与えているそうです。

高窓のため、目線の高さすべてが壁に囲まれて閉塞感が気になっていたという玄関。姿見用のミラーを横貼りにしたことで視覚効果が得られ、開放感を演出できたそうです。もちろん、お出掛けの際に身支度チェックをするのにもとても便利なのだそうですよ。

理想を形にしたシューズクローク

デッドスペースになりがちな階段下のスペースを見事、シューズクロークに活用されたs_gift_zさん。

「シュークロの中も土間と同じモルタル続きにすることで、1階の床よりも位置が下がります。そして当初の予定よりも階段を少しリビング側に飛び出して調整したことで、天井高190cmのシュークロを確保することができました。」

天井高が高く圧迫感を感じないため、初めてお家に来た方にはここが階段下のスペースだということにはまず気づかれないのだとか。

シューズクロークの中をのぞいてみると、入口から右側の可動棚には靴、左側の可動棚にはポールを付けてコートクロークとして活用されていました。
可動棚はご家族のすべての靴を収納できるそうで、土間に下駄箱を設置する必要もなく、すっきりとした空間を実現できたそうです。

収納するモノによって自由自在に変えることができるのも可動棚の便利な点で、将来お子さんたちが巣立って家族が減ったとしても、棚を外せばすっきりとした空間になる予定なのだとか。

上段はご家族全員分の避難バッグの収納スペースに。
コートクロークの奥には、ガス給湯器や収納庫になっているそうです。

このように、活用方法に困りがちな階段下のスペースも、s_gift_zさん邸では生活スタイルに溶け込み、なくてはならない大事なスペースとしてご活用されています。

暮らしのなかで

「土間部分には床暖房が入っているので暖かく、玄関ホールにあるトイレにいくのも苦にはなりません。冬は除雪作業をして濡れたブーツなども床暖房で自然に乾き、手間いらずです。」

実際に住んでみると土間の使い道が予想より多かったため、可能な限りスペースを広くとって大正解だったとおっしゃいます。自転車のメンテナンス、DIYや植物のお手入れにも役立つスペースとして使い勝手抜群なそうですよ。

暮らしに沿ったキッチンダイニング

s_gift_zさんのお宅といえば、どこか懐かしさを感じる壁付けキッチンが印象的です。シンプルで真っ白なキッチンに北欧モダンなタイル貼り。背面のステンレス板の食器棚や飾り棚などは、まるでおしゃれなカフェのよう。

きっかけは暮らしを見直したこと

「以前暮らしていた家では、子育てのことを優先して対面キッチンを採用していました。ですが子育てが落ち着いた今では暮らしを見直し、ゆっくりと丁寧に料理を楽しむキッチンを作るのが目標でした。」とs_gift_zさん。

こだわりの壁付けキッチン

「とにかく料理に集中できるキッチンが理想でした。」

独立型のクローズドキッチンも検討されましたが、より広いスペースが必要となるため断念されたのだそう。結果的に採用されたのが、空間を遮らない壁付けのキッチンでした。

「シンク部分がダイニングにはみ出していることで、シンクに立つ場所もリビング・ダイニングと繋がった空間に。多用途に使えてとても気にいっています。」

手元が隠れる対面キッチンと比べ、シンクが見える位置にある壁付けキッチン。
s_gift_zさんは、隠すことよりもあえてオープンに見せることを選択されたと言います。

「シンク部分が見える位置にあるのは賛否両論だとは思いますが、私の場合隠すよりも見られても大丈夫なようにキレイを維持することの方が、今の自分の求める暮らしに合っているなと感じました。」

目標だとおっしゃっていた『暮らしを見直しゆっくりと丁寧に料理を楽しむキッチン』をまさに実現されているようです。

生活感は隠す

生活感が出てしまう冷蔵庫の位置にはとても頭を悩ませたそうです。

「ニオイの問題や冷蔵庫を開けた時に中が丸見えにならないように、キッチンの奥に配置しようと考えました。ただ、調理中に家族がキッチンを通らないといけなくなったときに、すれ違ってお互いに通りにくいと耳にして…」
と、はじめは躊躇されていたs_gift_zさん。

ところがよくよく検討したところ、
・キッチンの通路幅を広く確保していたこと(幅1,100mm)
・キッチン全体がコンパクトなこと(3.7帖)
が幸いして、このデメリットには該当しないことに気付きました。

その結果、迷わずキッチンの奥に冷蔵庫を設置することにしたそうです。
またパントリーも壁を出して隠すことで、冷蔵庫と同じくダイニングからは見ない仕組みに。

「幅530㎜しかないコンパクトなパントリーですが、可動棚に無印良品のバスケットを横2つ並べられるようにしました。可動棚のいちばん下にはゴミ箱も隠しています。」

オープンな壁付けキッチンを採用したこともあり、冷蔵庫やパントリーなどの生活感がでそうなものは極力隠す動線にされました。

手元を照らすブラケットライト

シンクの上の手元灯には、ブラケットでアームが動きヘッドが調整できるライトを選ばれました。キッチン全体がくっきりと明るいよりも、シンク上だけを柔らかく照らす明かりの方がお好きなんだそう。たしかに、お料理にも集中できそうですね。

こちらの明かりは、目にも優しく、照らす場所を自由自在に調整できてとても便利なのだとか。

タイル×キッチンパネル

立体感のあるYラインが流れるように美しいレリーフ形状のキッチンタイル。コンロ周りは油はねのお手入れを考え、タイル×キッチンパネルの組み合わせが理想だったそうです。

「鏡面仕上げのキッチンパネルは避け、リビング・ダイニングの雰囲気と馴染むように艶無しのマットなキッチンパネルを選びました。照明が当たってもキラっとすることがないうえに、お掃除もしやすくとても気に入っています。」

お気に入りのディスプレイに

美しい木目とステンレス天板の異素材の組み合わせが、シンプルカジュアルなキッチンカウンターはunicoの「adday」シリーズのもの。

アンティーク調のオープンシェルフと組み合わせて、よく使うお気に入りのコーヒーグッズなどを飾って楽しんでいるそうです。おしゃれなカフェのような空間は見ているだけでワクワクしますね。

またこちらのアクセントクロスには、あらかじめ全面に下地を施しているので、飾り棚を増やすことも可能なのだとか。暮らしの変化に合わせて、気軽に模様替えも楽しめそうですね。

こだわりのキッチンのある暮らし

「収納を必要最低限にしたことで、モノを無駄に増やさないようになりました。」

暮らしに必要な適量を見極め、常に整理を心がけるようになったそうです。

キッチン通路幅を広くとったことで、ご家族がお手伝いをしてくれても狭いと感じることもないのだそう。また背面のキッチンカウンターは調理台としても使えるのでとても便利とのこと。

「キッチンシンクがリビング・ダイニングと繋がっているため、お友達が来てもさりげなく手伝ってもらいやすいです。」

と、来客時のメリットについても話してくださいました。こだわりを尽くしたキッチンは、ゲストも気軽に集まれる理想のキッチンのようですね。

暮らしに溶け込む洗面台・脱衣所

リビング一角に溶け込んだシンプルでスタイリッシュな洗面スペース。リビングとの境目には、”角だけアール”のタレ壁が、甘すぎずお部屋の雰囲気にもマッチしていてとても魅力的です。

過去の暮らしの経験をもとに

これまで住まれてきたお家は、北向きで薄暗く寒い洗面所が多かった経験から、新居では洗面所の場所は譲れないポイントだったそうです。

遊びに来たお客さまにも気軽に使ってもらうため、ご家族が入浴していても使用できるように脱衣所とは分け、独立したスペースを確保しました。

空間に溶け込むデザインへ

「リビングと洗面台が繋がった間取りのため、洗面台はインテリアの一部として溶け込ませたくてあえてシンプルなデザインにしました。」

洗面台は圧迫感が出ないようにフロートタイプのものを採用。洗面カウンターと壁との間に隙間が生じてしまったため、物の落下防止やお手入れのことを考えてwall to wall仕様に変更されたそうです。

ただ一点、洗面台左右の壁をクロス仕上げにしたことで、水跳ねが気になってしまうそうで、こまめなケアが必要とのこと。

「正面のタイル貼りの高さに合わせて、左右はキッチンに使っているマットホワイトのキッチンパネルにするべきだったと思っています。」

といったような課題はあるそうなのですが、半造作の洗面台はご家族みんなのお気に入りなのだとか。

「造作費用が捻出できなかったので、既製品の洗面台と鏡を組み合わせました。」

ただ既製品を組み合わせるのではなく、タイルから選びにこだわったり、壁をふかして小物を飾れるスペースを確保したりするなど、こだわりを活かした個性的で素敵な洗面台を完成されました。

機能性に優れたハニカムシェード

南西側に配置した洗面台を明るく保つために、大きな掃き出し窓を設置。冬の寒さ対策には『ハニカムシェード』を採用されました。

ハニカムシェードとは、ハチの巣のような六角形のハニカム構造が作る空気の層で、夏は断熱、冬は保湿効果と優れた保温力を発揮するロールカーテンです。

「ハニカムシェードのおかげで冷気がシャットダウン・アウトされ、効果を感じています。」

使い勝手を考慮した脱衣所

洗濯機と稼働棚を設置した脱衣所は、着替えるだけと考えて最低限の1.5帖のスペースに。天井にはtoolboxのアイアンハンガーパイプ(コの型)を取り付けて洗濯物やバスマットを干すのに役立てているそうです。

「以前の家は可動式のポールをつけていたのですが、上げ下げが面倒だったので、洗濯機の上の空間を使ってハンガーでギリギリかけられる高さのアイアン製のポールをオーダーしました。」

毎日の家事が実用的に捗る設計に加え、デザイン性もプラス。インテリアに馴染んだアイアンポールは使い勝手も良くお気に入りなのだそう。

空間に合ったアイテム選び

「洗面台の壁、脱衣所の入口にティッシュボックスを壁付けしました。狭い空間だと置くよりも壁を利用する方がスッキリします。」

限られた空間の中で使いやすい工夫をしたおかげで、手を添えなくてもティッシュが引き出せ、とても使い勝手が良いそうです。

リビング一角の洗面スペース

「リビング続きの同じ空間に洗面台があることで、お客さんにも気軽に使ってもらえ、よかったです。」とs_gift_zさん。

ご家族はもちろん、遊びに来たゲストにも居心地のいい空間として過ごしてもらえるs_gift_zさん邸の洗面スペースのようです。

編集後記

デザイン性が高く素敵な空間のs_gift_zさん邸。27坪という限られた空間の中での巧みな空間使いは参考になる点ばかりでした。

住み始めてからの生活の目標やスタイルをしっかりと考慮されていて、家づくりにおいて必要不可欠なことを再確認させてもらいました。

暮らしの真ん中にある壁付けキッチンは、どこか懐かしい雰囲気を醸し出しつつも、おしゃれでモダンなカフェのようなデザインで、素敵な空間でしたね。

s_gift_zさん、ありがとうございました。

■今回お話を伺わせていただいたかた
s_gift_zさん

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アリカ(片づけ遊び指導士) ■ワンオペ対応の《楽家事収納》づくり♡ ■9歳6歳♀2歳♂単身赴任の夫の5人家族♪ ○シンプルホーム編集部