注文住宅

外に閉じて内に開く、プライバシーを確保したロの字型の家 – kyb_homeさん

kyb_homeさん邸は、中庭を中心としたロの字型の平屋。外に面した窓を高窓にすることで隣家や道路からの視線をコントロールした居室は、中庭に向かって大きく開くことで開放的な空間を実現しています。素材感を大切に意匠性にもこだわった内装をはじめ、もうひとつの中庭がある水回り空間など、工夫を凝らした設計は注文住宅ならではです。

基本情報

お住まい:宮城県

設計事務所:株式会社建築工房DADA
工務店:ハンズホーム株式会社

構造:在来軸組工法(木造)

敷地面積:81坪
延床面積:30.6坪

家族構成:夫、妻

打合せ期間
間取り:8ヵ月
内装:3ヵ月

リラックスできる空間を目指して

ご結婚を機に、ご友人たちとキャンプや音楽フェスに行かれるようになったというkyb_homeさん。自然の中で過ごす時間をとても心地よく感じるようになられたそうです。

「好きな音楽を聴きながらお酒を飲んで語らう…そんなリラックスできる空間を住まいにも取り入れたいと考えるようになりました。」

人目につかない完全プライベート空間

家を建てる以前にお住まいだったアパートやマンションでは、道路や隣家からの視線が気になり昼夜問わずカーテンを閉め切って暮らされていたそう。換気することさえ憚られるような環境にとてもストレスを感じられていたそうです。

そんなきっかけから目指した家は、「寝巻き姿でも下着姿でも家の中を歩けるくらいプライベートが確保された空間」

完成した家は中庭を中心としたロの字型で、外に面する窓はすべて高窓という完全プライベートな空間になっています。

外から家の中の様子を伺い知ることも、間取りを把握することもできないようなつくりでプライバシーを確保されました。

細部までこだわった窓まわり

家の中心である中庭に面した窓は、高さを天井高に合わせたハイサッシ。軒にはリビングと同じオーク材の部材を使うことで、シームレスにつながる空間を演出しています。

季節ごとに異なる太陽の角度を踏まえて作られた軒が太陽光を調節してくれるため、カーテンを使用せずとも心地よい暮らしを実現されています。

一体感のある空間へ

LDKと中庭を隔てる窓をすべて開け放てば、ひとつの空間にすることができます。

ご友人がいらした際には中庭をリビングの延長として使用し、中と外でワイワイとできるのが魅力だそうです。

中庭と反対側にある外に面した窓は、フロストタイプの高窓にしたことで通りや隣家からの視線が気にならず、完全プライベートな空間を実現されました。

「人目を気にしなくてもよいプライベートな空間があることで、生活にゆとりが生まれた気がします。家に帰ってすぐにカーテンを閉めなくては…という焦りもなく、窓を開けると誰かと目があうといったこともないので安心感があります。」

自然に触れる

住宅地の中でも緑や空などの自然に触れてリラックスできる空間を求め、中庭の一部には植栽スペースを設けられました。

夏にはお昼からお酒を嗜んだり、秋にはお月見したり…と移りゆく季節を愛でながら過ごすことができる空間になっています。

LDKは素材感を大切に

LDKは主に、床や天井、造作家具に用いられた「木」と、ステンレスキッチンの「金属」、デコリエで塗られた「塗り壁」という3つの素材感を大切にされました。

「それぞれ素材感を全面に出したことで、その風合いがとても美しく、経年変化を見続けることもこれからの楽しみの一つです。」

異素材の組み合わせが美しい対面キッチン

傷が目立たないバイブレーション仕上げのステンレスキッチンに、木製の背面カウンターという異素材の組み合わせがスタイリッシュなキッチンは、フルフラットの対面キッチン。

「以前の住まいが壁付けキッチンや独立キッチンだった為、ひとりで黙々と料理をするのが寂しくて…家族とTVを見たり、談笑しながら料理をするのが長年の夢でした。」

3.6mの背面カウンターで収納も充実

キッチンをすっきり保つため、背面はすべて収納に。3.6メートルもあるカウンター下には収納が18箇所もあります。

炊飯器や電子レンジを収納する家電収納を設けたことで生活感を出さないようにしたカウンターは、一次的な作業台として使用するほか、季節のお花を置くことも。

コンセントをたくさんつけているため、アレクサやスマホを充電しながらレシピを見ることもでき、とても機能的なのだとか。

将来は、あえて見せたいコーヒーメーカーやトースターといったデザイン家電を置く予定だそうです。

空間をすっきり見せるエアコン収納

上部の吊戸棚に続く形でルーバー状のエアコン収納も作られています。

「デコリエ壁や壁付けTVのところにはどうしてもつけたくない…」との思いからこの場所一択だったそう。

そのほかの収納と同じ素材で作ることで意匠性も高め、目立ってしまいがちなエアコンの存在をうまく隠しています。格子は可動式になっているため掃除も楽なのだそうです。

暮らして感じたこと

対面キッチンでは家族と話したりテレビを見たりしながら家事をすることができるため、とても満足していらっしゃるそう。

また、料理を運ばずに手渡しすることもできるため、受け取ったご主人がテーブルに並べてくれるようになったのだとか。

「フルオープンにしたことで、主人が掃除や洗い物など、進んで綺麗に保つ努力をするようになり驚きました(笑)ズボラな自分にとってとてもありがたいです(笑)」

キッチンと寝室をつなぐ水回り

賃貸に住まわれていたときに、水回りが一カ所にまとまっていないことの不便さを痛感されていたというkyb_homeさん。キッチンと寝室をつなぐ水回り動線を重視されました。

「夜のキッチンリセット、入浴、洗濯、就寝は毎日のルーティーンなので、その動きを元に使いやすく設計していただきました。」

一日中勝手の良い動線

kyb_homeさん邸ではキッチン→洗面・脱衣室→WIC→寝室という動線を確保されています。

朝起きてから洗顔をし、着替えをしてからキッチンに立つことができるという動線はとても便利で、夜も寝るまでの動きがとてもスムーズなのだそうです。

もうひとつの中庭

キッチンの隣のにある洗面脱衣所には、洗濯物を畳んだり、アイロンがけをしたりできるほどのゆとりのある長さの洗面カウンターがあり、素材はリビング壁と同じデコリエを用いられたそう。

その背面には室内干しスペースと外干しできるご家族専用の中庭が設けられています。

「洗濯が終わったら中庭に干して、カウンターで畳む、しまうの動作が10歩以内で完結するんです。」

部屋干しスペースや、平屋でありながら外干しを可能にした中庭は共働きであるkyb_homeさんご夫婦にとってとても使い勝手がよく、防犯面でも安心できる設計になっているそうです。

中庭にはタッチキーで開閉できる勝手口を

また、外干し用の中庭には勝手口が作られており、ごみを出す際に使用されているのだとか。

こちらの勝手口からごみを出せるようにしたことで、キッチンで出たごみを持ってリビングを通らずに済み、直接ごみステーションに行くことを可能にされています。

「一時的にごみをまとめて置いておいても猫や鳥に荒らされませんし、勝手口を開けても、窓を閉めることでエアコンで適温にした空気が逃げたり、虫が入ってくるなどの心配がないので助かっています。」

万が一にも備えた勝手口

こちらの勝手口はタッチキーになっているため、外から荷物を運んだり、汚れてしまった場合にお風呂に直行する際にも使用されているのだそう。

「勝手口はちょうど玄関と逆ところにあります。もし地震などで玄関が歪んでしまって外に出ることができなくなっても、勝手口から出入りできるように計算されていて感激しました。機能性とデザイン性がとてもよく考えられていて、設計事務所の方にはとても感謝しております。」

勝手口はただ便利なだけでなく、外に閉じて内に開く構造になっているロの字型の住宅で、災害の際の外とのつながりを確保する大事な場所にもなっていました。

編集後記

外に閉じて内に開く構造のおかげで完全プライベートな空間を実現しているkyb_homeさん邸。

カーテンを閉めなくても視線を気にすることなく、いつでも空や緑などの自然を感じられるというのは、中心に中庭を配置したロの字型のお宅ならではですね。

開放感あふれた暮らしはとってもうらやましいです。

また、家の中心となる中庭のほかにもう一つ勝手口のついた中庭を設けることで洗濯やゴミ出し、荷物の搬入などの日々の家事を楽にしたつくりには感激しました。

kyb_homeさん、ありがとうございました。

■今回お話を伺わせていただいたかた
kyb_homeさん

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Daiwa House 〜中庭のある暮らし〜 おうちが大好き♡ ❀シンプルホーム編集部