「3つの玄関」と「土間リビング」とへつながる現代風の通り土間が印象的なniinana_sanさん邸。用途ごとに使い分けることのできる玄関が生み出す動線は、家族の生活パターンを踏まえた注文住宅だからこそ実現できました。
モダンなブラックキッチンと、ナチュラルなインテリアを融合させたあたたかみのあるLDKも必見です。
基本情報

お住まい:愛知県
構造:在来軸組工法(木造)
敷地面積:70坪
延床面積:38坪
家族構成:夫・妻・息子・娘
打合せ回数と期間
間取り:3回
内装:6ヵ月
現代風の通り土間が生み出す快適な暮らし

現代風の「通り土間」を活用した間取りのniinana_san邸。
「お客様玄関」(写真参照)の奥に位置する土間収納は大容量サイズで、片付けが苦手だというniinana_sanさん邸で重要な役割を果たしています。
土間収納への入り口は、ガラス製のドアを採用したことで視線が奥まで抜け、空間のつながりを感じることができます。
「生活動線にもこだわり、ガラス戸を通るとシューズボックス、キッチンに繋がる家族玄関、有孔ボード、土間収納(パントリー兼)、夫玄関、ファミリークローゼットへとつながっています。」
リビングへアクセスできる3つの「玄関」

買い物から帰宅する際に利用するのは、キッチンへとつながる「家族玄関」。キッチンを経由してリビングに入ることで、荷物を持ち込まずに済むためリビングが散らかりません。
また、ご主人が仕事から帰宅される際は「夫玄関」を利用されています。夫玄関はファミリークローゼットに続いているため、スーツを脱いで部屋着に着替えた状態でリビングに入ることができるそうです。
このように、「お客様玄関」「家族玄関」「夫玄関」と用途別に設けた玄関は機能性にあふれ、家の顔でもあるお客様玄関は生活を感じさせない空間に保たれています。

玄関土間からつづくもうひとつの空間

玄関ドア左手のホワイトのハイドアを抜けると、もうひとつの土間空間である「土間リビング」が広がっています。
吹き抜けと化粧柱が印象的なこちらの空間は、営業担当者より「冬は熱を蓄え、夏は涼しくしてくれる」と提案されたことがきっかけで採用されたそうです。
テーブルを置いてお子さんと手作りのお菓子を食べたり、一人でおうちカフェを楽しんだり…元々カフェの雰囲気が好きだったniinana_sanさんのお気に入り空間になっています。
クリスマスの時期はツリーと土間の相性がとてもよく、その季節ならではの雰囲気も楽しめるそうですよ。

家具のように空間に馴染むキッチンを目指して

ショールームに行った際にその「箱感」に一目で惹かれたという、キッチンハウスのフェニックス。
家具のようにインテリアになじむキッチンを希望していたninnana_sanですが、フェニックスはモダンインテリアに採用する事例が多く、イメージしていた北欧インテリアのようなナチュラルな空間に馴染むのか悩まれていたそう。
モダンなブラックキッチンととナチュラルなインテリアを融合させて

そんな時に北欧の方のInstagramやPintarestで「黒のキッチン×温かみのある床材」を合わせたコーディネートを目にし、ご自身が目指している空間は「モダンとナチュラルの融合された空間だ」と確信されたそうです。
そうして採用されたブラックのキッチンは、あたたかみのあるナチュラルな内装に映え、モダンでスタイリッシュな印象をあたえてくれます。
「ブラックのキッチンは汚れが目立つと言われていますが、毎日清潔に保とうと掃除ができる素材で逆に良かったと感じます。」
冷蔵庫は2方向からアクセスできる隠れた場所に

冷蔵庫はキッチン奥に収納されており、リビングダイニングからは見えないようになっています。
キッチンと家族玄関の2方向からアクセスできる位置で、買い物した食品を片付けるのにとても便利だそうです。
また、冷蔵庫の背面はパントリーになっており、オーブンレンジなどの生活感を出す家電も収納してしまうことで、よりすっきりとしたインテリア性のあるキッチンに仕上がっています。
「冷蔵庫やオーブンレンジを隠したことで、元々フェニックスが持つマットな美しい素材が引き立ち、とても満足しています」
広さを感じさせる工夫に溢れたリビングダイニング空間

土間空間を設けたことでリビングは単体で6畳ほどの空間になったというniinana_san邸。
そこで少しでも広く見せるために、リビング部分のみ天井の高さを2400㎝に折り下げて、天井高の窓を採用することで、室内と室外がシームレスに繋がるよう工夫されました。
窓まわりにはパネルカーテンを採用することで空間をすっきりと見せています。
また、黒いキッチンを引き立てるためにLDKのクロスやドアは白で統一していますが、テレビの裏だけグレーのアクセントクロスを採用することで空間に奥行きを出しています。
パイプスペースを利用したニッチ

リビングとダイニングの境にあるニッチは、パイプスペースによる不自然な凹凸を解消するために採用されたそうですが、お気に入りのポスターや雑貨をディスプレイすることで空間に彩りを添えてくれる場所になっています。
「今ではキッチンに並び、我が家の顔となりました。」
フレキシブルに活用できる階段下空間

ダイニング背面にある階段下のスペースはベビーベッドを置いたりおもちゃ収納を置いたりと、生活に合わせてフレキシブルに活用できる場所になっています。
おもちゃ収納にはIKEAのイーヴァルを用い、天板にはお雛様や兜、花や雑貨など季節に合わせたディスプレイを楽しんでいらっしゃいます。
軸を定めた家づくり

「キッチン・ダイニングを中心にした暮らし」をテーマに家づくりを進められたというniinana_sanさん。
建具やクロスはキッチンに合うかという視点をを軸に選ぶことでスムーズに決まったそうです。
「何かひとつ、家づくりの軸となるものがあれば迷った時に立ち返ることができるので良いと思います。住んでみてイメージと違ったと思う部分がほとんどなく、快適に過ごせていますが、それも軸を明確に定めることができたからだと思っています。」
心配されていたリビングの広さも気にならず、カーテンはほぼ開け放って自由に過ごされているそうです。
「自分が好きなものに囲まれた空間で暮らすのは本当に心地が良くて、こまめにインテリアを変えるのも楽しみのひとつです。」
編集後記
モダンな印象を受けるブラックのキッチンを、あたたかみのあるナチュラルなインテリアと見事に融合させているniinana_sanさん邸。
お客様玄関の他に「家族玄関」、「夫玄関」というプライベートな玄関を設け、それぞれに必要な収納と動線を確保することでとても暮らしやすいおうちにされていました。
そしてそれらを叶えたのは、現代風の「通り土間」があるからこそ。古来の住宅ではよく見られていた土間を、現代の住宅に取り入れるとこんなに素敵な家になるのかと感動せずにはおれませんでした。
これからおうちを建てられる方にぜひ参考にしていただきたいです!
niinana_sanさん、ありがとうございました!

■今回お話を伺わせていただいたかた
niinana_sanさん