注文住宅

#蔵のある家 で空間の広がりとバツグンの収納力を – yu.ma0836さん

「30坪」という決して広くはない土地でありながらも、とても開放的な空間が印象的なyu.ma0836さん邸。1.5階に‟蔵”を設けることで、3.8メートルの天井高はタテの広がりを、窓からつながるウッドデッキはヨコの広がりを演出。注文住宅だからこそできる、自由な空間設計をご覧ください。

基本情報

お住まい:埼玉県

ハウスメーカー:地元工務店
構造:在来軸組工法(木造)

敷地面積:30坪
延床面積:29坪

家族構成:夫、妻、息子1人

打合せ期間
間取り:2ヵ月
内装:5ヵ月

高い天井とウッドデッキで解放感溢れるリビング空間を

以前より広くて開放的なリビングに憧れがあったというyu.ma0836さん。その憧れを形にするにあたってネックになったのが土地の広さ。30坪という限られた土地では、横の広さを求めるにはどうしても限界があったそうです。どうすれば満足度を高めたり、自分のこだわりを実現できるのかと、いろんな道を模索されたそうです。

3.8メートルの天井高がもたらす‟タテの広がり”

そこで、少しでも開放感を出すため、空間を縦に広げることに着目。さまざまな試行錯誤をへて実現したのが、高さ3.8メートルの開放感溢れる天井です。こちらはなんと1.5階に「蔵」を作ることで叶ったそうです。

「あえてリビングの上には蔵を作らず、吹き抜けのような開放感を持たせました。」と、満足のいくおうちづくりのための工夫も教えてくださいました。

ウッドデッキが生み出す‟ヨコの広がり”

南東角地にあるというyuma.0836さん邸では、建築基準法の関係で建物を広げることができなかったため、横の広がりはウッドデッキを設けることで実現されました。

「土地30坪の我が家ではお庭を作るスペースがなく、当初の設計ではリビング前(南道路側)は駐車場でした。ですが、せっかく日当たりの良い南東角地を選んだのにそれを活かさないのはもったいないと思い、角地だからこその間取りの自由度を活かしたいと思いました。そこで、北西側に駐車場を配置し、リビング前にはお庭代わりにもなる小さなウッドデッキを作ろうと思いました。」

また、ウッドデッキにつながる窓は3枚の掃き出し窓を採用することで、採光と解放感の両方を確保できたそうです。3枚窓は、全て開けると窓ガラス2枚分の開口を得ることができるため、開け放しておくことで風通しもよく、リビングとウッドデッキとの繋がりを感じることもできるそうです。

「ウッドデッキのまわりには横貼りの目隠しフェンスを設置しプライバシーが守れるようにしました。道路を歩いている人と目線が合わないよう、フェンスとフェンスの隙間は最小限にしてあります。」と、南東角地という立地ながら、カーテンを開けても人目を気にせずくつろげるようになっているそうです。

暮らしてみて感じること

「リビングはおうちの中でいちばん長く居る場所なので、妥協せずに、開放的でくつろげる空間にできて正解でした。お庭代わりのウッドデッキは決して広くはないものの、おうちでできるプールやピクニックにちょうど良い広さです。」と、大活躍の様子。将来は、プランターを置いてプチガーデニングを楽しみたいと考えていらっしゃるそうです。

収納力バツグンな #蔵のある家

地元の「蔵」が強みの工務店で家を建てたというyuma.0836さん邸。収納は多めにと計画されたそうですが、家の広さに限界があったため、1階と2階の間には階段踊り場から入ることのできる、21㎡ほどの蔵を作られたそうです。

「開き戸を開けた蔵の中には更に引き戸がついており、大きく2部屋に分かれる仕組みにしました。人目にさらしたくないものや使用頻度の低いもの(季節家電や季節用品、来客用布団、今後また使用する可能性のあるベビーベッドなど)は引き戸の奥にしまい、踊り場から蔵に直接通じる開き戸の先のスペースには比較的使用頻度の高いモノや消耗品のストック類を置いています。」

「また、北側に面した8.5㎡のスペースだけは天井高が1.4mあるので(他1.2m)、そこには敢えてモノを置かず、ラグを敷き隠れ家のようなスペースを作りました。」と話してくださったように、yu.ma0836さんの蔵は非常に自由度が高く使い勝手も良さそうに見受けられました。

「蔵」という言葉だけを聞くと、なんとなく和風で、通気性が悪く暗い空間をイメージしてしまうかもしれません。事実、わたしもその1人でした。しかし、yu.ma0836さん邸では蔵の中に窓を多く設置することで、明るく風通しも良い空間を実現されています。日中は電気をつける必要もないくらい明るいそうです! お休みの日には、蔵の中で旦那さんがくつろいでいらっしゃることもあるんだとか。なんだか秘密基地の中にいるみたいで、つい長居してしまいそうですね。

プライバシーの確保にも一役

また、蔵を設けたことでさらなるメリットもあったそうです。隣家との距離が近いと発生する、窓と窓でこんにちは現象。隣家との距離が比較的近いというyu.ma0836さんも、プライバシーが守れるかを心配されたそうです。

ですが、1階と2階の間に蔵を設けたことで、2階がお隣よりも0.5階分高くなっており、2階の窓を開けたりベランダに出ても、お隣さんと目線が合うことがないそうです。

蔵は収納スペースの確保だけでなく、隣家と生活空間をずらし、プライバシーの確保にも一役買うスグレモノですね!

#蔵のある家 の魅力

「季節家電や来客用布団など、いざしまうとなるとかなりのスペースを占領してしまうので、それらがまるっとしまえる蔵は本当に作ってよかった思っています。また、友人のお子さんもいらっしゃると、小さな開き戸のある隠れ家のような蔵に大変興味を持ってくれ遊んでいる姿も見ていて微笑ましいです。」

と教えてくださいました。

1階と2階の間という家の中心部分にあるため、どの部屋からもアクセスしやすく利便性も高い、優秀なおうちの機能の1つだそうです。

小物もかわいい北欧ナチュラルなキッチン

お子さんを授かったことがきっかけでお家を建てることを考えられたというyuma.0836さん。

キッチンから部屋全体を見渡せる、L字型のリビングダイニングを選ばれた理由も伺いました。

部屋全体を見渡せるキッチン

打合せの最中、お腹にお子さんがいらっしゃったというyu.ma0836さん。お子さんが生まれてから始まる長い子育て生活を想像したとき、部屋のどこからでも子どの様子が一目でわかると暮らしやすいだろうと考えられたそう。

そんな中でも、長い時間いることになるであろうキッチンからの視線を考え、L字のリビングダイニングを選択されました。

お休みの日に家族で過ごす際、私が料理をしていても孤立せずに家族とコミュニケーションがとれるようにしたかったこともL字にされた大きな要因だったそうです。

腰壁の高さは+20センチで急な来客にも対応

ペニンシュラ型のキッチンは、当初の設計ではコンロ前に壁、もしくはシンク横に柱が必要になる予定だったそうで。

しかし、開放感のあるキッチンにしたかったため、設計士さんと何度も打ち合わせを重ねた結果、壁も柱もないオープンキッチンになったそうです。

オープンキッチンは解放感がある分、調理スペースが丸見えになってしまうというデメリットもあります。そんなデメリットを解決するために、天板から20センチほどの高さの腰壁を採用したそうです。

「急な来客があった際、調理スペースが丸見えにならないよう手元が隠せ、圧迫感のないギリギリの20センチに設定しました。」と、その高さの理由も話していただきました。

また、ダイニング側の腰壁にはブックニッチを作り、お気に入りの本を置けるようにしたそうです。ただ機能的なだけではなく、そこにいるだけで心地よくなるような空間づくりも参考にしたいポイントですね。

常に視界の中にいるという安心感

L字のリビングダイニングやオープンキッチンにされたことで、キッチンで作業していても常に子供が視界に入ってくるため、安心して作業ができているそうです。間取りによっては、キッチンから死角ができてしまうこともあるので、設計段階から意識しておきたい部分かもしれませんね。他にも、部屋も広く見えるという効果や、料理をしながらリビングのテレビも見ることができるというメリットも。

「テレビ好きの私にとっては大きなポイントですね。(笑)」

≪キッチン本体仕様≫
タイプ:ペニンシュラキッチン
メーカー:LIXIL
商品シリーズ:システムキッチンAS
カラー:チェリー

≪背面収納仕様≫
メーカー、シリーズ、カラー共に本体と同じ

編集後記

土地が狭いことを考慮して家づくりをされたというyu.ma0836さん邸。

ですが、言われなければ気づかないほど、開放的な住まいを実現されています。それは、やはり「蔵」の存在が大きいように感じました。

蔵と言われてまず連想するのは「大容量の収納空間」。ですが、配置によって吹き抜けのようなタテの広がりができ、更には隣家との視線をずらすことができるなど、蔵がもたらすゆとりはたくさんあるのですね。

限られた敷地の中で、その広さを最大限の生かした家づくりになっていました。

yu.ma0836さん、ありがとうございました。

■今回お話を伺わせていただいたかた
yu.ma0836さん

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