注文住宅

コンパクトだからこそ得られた充実した暮らし、爽やかな光が降り注ぐ心地よい住まい – aki_san_chiさん

「旗竿地/延べ床28坪の小さなおうち」をテーマに、毎日の暮らしの記録を発信されているaki_san_chiさんの注文住宅。特徴的でコンパクトな土地を活かしたaki_san_chiさんならではの土地選びやインテリアのこだわりについてお話をお伺いしました。

基本情報

お住まい:東海

ハウスメーカー:共感住宅レイアウト
構造:在来軸組工法(木造)

敷地面積:68坪
延床面積:28坪

家族構成:夫、妻、 息子

打合せ回数
間取り:4回
内装:5回

土地選び「旗竿地」との出会い

ご家族3人の住まいに、土地の形が旗のついた竿の形状をしている『旗竿地』を選択をされたaki_san_chiさんのお家。特殊な形の土地との出会いから、家づくりのこだわりに至るまでのお話をお伺いしました。

実際に訪れてみたからこその偶然の出会い

『旗竿地(はたざおち)』という、少し聞き慣れない言葉がaki_san_chiさんのお家のキーワードになっていますが、みなさん旗竿地ってご存知でしょうか?

旗竿地とは、道路(公道)に接する出入口部分が細い通路上の敷地になっていて、その奥に家の敷地がある形状の土地のことを指します。まるで竿につけた旗のような形状をしているため、旗竿地と呼ばれているそうです。

ー土地選びの際には、最初から「旗竿地」を購入しようと決めていたのですか?

aki_san_chiさん:「いいえ、そうではないんです。土地探しを始めた時は、『旗竿地』という名前も知りませんでした。工務店さんに候補の土地をいくつか出していただく中でも、図面を見て、正直この土地だけはないな…と思っていたくらいでした。」

ーでは実際、購入するに至った経緯はどのようなものですか?
aki_san_chiさん:「おまけ程度の気持ちで実際に足を運んでみたんです。すると、間口が3m以上あって、土地もそれなりの広さ、日当たりも旗竿地という土地の形のわりには良かったので見方が一気に変わりました。何より、プラン次第ではプライベートな空間が保てるかも!と考えたことで、この土地に決めました。」

ご夫婦の間でも理想からかけ離れていた土地だけに、実際に足を運んで見てみることは本当に大事なことなんだなと痛感されたaki_san_chiさん。土地選びは図面だけではなく、自身の目で見て確かめることの大切さを教えてくださいました。

土地選びのこだわり

たまたま巡り合ったこの土地を前にして、「この土地で住んでいることをイメージできるだろうか」とご夫婦で創造を膨らませたそうです。そのときに、駐車場や庭、建物の輪郭など、なんとなく浮かんできたのだとか。

「ここに住んだ家族の将来のイメージがとってもしやすかったんです!」とaki_san_chiさん。また、駅や小学校なども徒歩圏内という条件も嬉しいポイントだったそうです。

そして、旗竿地のメリットとして挙げられる「四角い土地と比べて土地代が低いこと」によって、外構や内装に予算をかけることができたそうです。

この土地に暮らして

ーこの土地だからこその、暮らしてみて感じたメリットを教えていただけますか。

aki_san_chiさん:「敬遠されやすい旗竿地ですが、わが家にとっては土地自体の広さもあるので、庭をしっかり取れて日当たりも良く、ご近所との程よい距離感でプライベート空間が保たれているのでとても満足しています。」

ーでは逆に、デリットだと感じることはありますか。

aki_san_chiさん:「そうですね、よく旗竿地のデメリットで防犯面や風通りの悪さなどのことを言われますが、それらは防犯対策や設計そのもので解決出来ることも沢山あると思っています。ただ、車の駐車が竿の部分になりますので、縦列になってしまい車の入れ替えが必要な時もあります。ですが、それも駐車場部分が長い分、子どもが道に飛び出してしまうこともなく危険も少ないと感じています。」

一般的にデメリットといわれていることも、考え方や活かし方によってはプラスな要素にも転換するんですね。実際に暮らしいるからこそのご感想、とても参考になりますね。

では次に、旗竿地だからこその間取りの工夫について詳しくお伺いしたいと思います。

土地の形状と狭さを活かした間取りの工夫

特殊な土地の形状に加え「延べ床面積28坪の小さなおうち」でいらっしゃるというaki_san_chiさんのお家。ですが、インスタを拝見する限り、狭さを感じさせない開放的で実用的なお宅に見受けられます。きっと家づくりにおいて、土地の広さを最大限に活かすためにされた間取りや動線の工夫が隠されているのだと思います。そんなaki_san_chiさんのお家の中を見ていきましょう。

明るさを最大限に活かすことで、ゆとりを感じる空間に

家づくりでまずいちばんに考慮したのが、リビングの採光だったそうです。

そのため、光をたっぷり取り込み、明るくて開放的なリビングになるよう、大きめの窓と広めの吹き抜けを採用されました。

ほかにも、お家のテーマカラーを『ウッド×ホワイト』を基調にすることで、インテリアに明るく開放的な統一感を出すこともポイントのようです。

2階の廊下の手摺りも、アイアンのスケルトンな形状にすることで、部屋の奥深くまで光を取り込みやすくなり、家全体を明るい印象に導いてくれるそうです。

ーほかにも、狭さを感じさせないためにされた工夫はありますか?

aki_san_chiさん:「そうですね、間取りを考えるとき、家全体で「仕切り」を少なくし、空間に開放的な一体感を持たせました。そうすることで、圧迫感を感じさせないように心がけました。」

たしかに、aki_san_chiさんのおうちは、玄関たたきがないフラットな造りになっています。段差をなくしたことで空間に自然な連続性が生まれ、スッキリとした印象に見えます。「玄関ホールをなくす」という発想が、延べ床面積28坪を感じさせない驚きの空間になっています。

また水回りはキッチンを中心に、風呂場&脱衣場→ランドリースペース→ファミリークローゼット→リビングと一か所で回遊できる効率的な動線も取り入れました。

こちらのランドリースペースでは、洗濯を洗う→干す→収納という一連の作業を同じ空間で完結できて時短に繋がり、毎日の家事がすごく楽になったそうですよ。

そして2階の寝室は、4.5畳のスペースでベットを置けるだけのコンパクトな空間に。

これは『寝室は寝るだけの空間』と割り切って、部屋の役割をシンプルにしました。もちろん、寝室のテレビは壁掛けにするなど、ここでも最小限のスペース生かす工夫がされています。

明るく暖かいゆとりのある家に

ー当初、工務店から28坪と掲示されたときは、『本当に暮らしていけるのか…』と不安に感じたそうですが、どのように解消されましたか?

aki_san_chiさん:「そうなんです。正直不安は隠せませんでした。ですが、実際に暮らしてみることによって、この広さだからこそ余分なものをなくし、必要なものだけを大切にする今の暮らしを送れるお家になりました。」

気にしていた日当たりも、リビングに8畳の吹き抜けを採用したことで問題なく、それどころか開放的で圧迫感のない理想の空間になったそう。また、今の家に暮らして、とくに掃除をするのが楽になったそうです。コンパクトな分、どのお部屋も手を抜かずにしっかりと掃除をやり切れるそうなんです。

『手間を省いた、掃除がしやすい家』は、まさに理想ですね。

こだわりを詰め込んだカフェのようなキッチン

aki_san_chiさんのお家といえば、存在感のあるキッチンが一際目を引きます。

グレーの腰壁と背面のグリーンのタイルのコーディネートがお家の雰囲気にマッチしていて、まるでおしゃれなカフェのような素敵なキッチンです。

オリジナリティー溢れた造作キッチン

「キッチンは、カフェのような雰囲気を形にしたくて、ライトや小物に拘りました。」

そんなaki_san_chiさんが採用されたキッチンは「ウッドワン」。そして背面は造作収納。床のオーク材との組み合わせを考慮して、キッチンのカラーも

オークを選ばれたそうです。インテリアとのデザインの統一性もありとても素敵ですね。

また、理想だったというタイルのお色を選ぶ際には、色々悩んだ結果『キッチンにインパクトを持たせよう』と思い切ってグリーンのタイルを

選択されたそうです。

「いまの我が家の顔になっていて、とてもお気に入りなんです!」

ひとつひとつお気に入りを選ぶことで、カフェのようなおしゃれな空間が完成したんですね。

お客様のことを考えたパブリックな洗面台

キッチン以外にも、リビングの一角に洗面台も造作されました。まるで海外の雑誌に出てきそうな、可愛らしい洗面コーナーですね。

ーナチュラルなタイル張りが、リビングの雰囲気にうまく溶け込んだ素敵な洗面台ですね。

aki_san_chiさん:「こちらは、基本的にお客様のための洗面台なんです。」

家族だけが使うことを想定したプライベートな洗面所だと、お客様が洗面所を使用する際に気まずさを感じるかもしれない…というご自身の経験もあり、ゲストのための洗面スペースを設けました。こちらは手洗専用ということもあり、コンパクトな受け皿もかわいさを引き立てていますね。

aki_san_chiさんの家づくりには、ゲストに対する細やかな配慮も取り組まれているなんて脱帽です。とはいえ、リビングの一角にあることで、ゲストに限らずお子さんの手洗いの習慣にもしっかり役立っているそうですよ。

デザイン面と機能性も兼ね備えた造作洗面台

キッチンの裏側にある脱衣場にも、とっても素敵な洗面台が隠れていました!こちらはリビングの洗面台とは違い、大ぶりなコーラー社のシンクを採用されています。

「汚れ物も気にせずジャブジャブと洗えるように大きいシンクにしました!」

脱衣所で使用する洗面台は、見た目の可愛さだけではなく、お洗濯にも使える実用的な洗面台を選ばれました。

手洗い用と洗濯用、目的によって造作のデザインを使い分けられたaki_san_chiさん。設計の段階から生活スタイルをしっかりと想像されていて、参考になります。

居心地のいい空間

「お気に入りに囲まれたキッチンにいると、とても気分が上がり、毎日の料理や掃除が楽しく感じます。」と話してくださったaki_san_chiさん。

キッチンは一日のうちにいちばん長く使う空間だけに、居心地の良い空間づくりが大切なんですね。収納力に限りがあるコンパクトな造作カップボードも、本当にお気に入りのお皿だけを厳選して使うように心がけているそうです。

「造作だと出来上がるまで実物を見ることは出来ないので、いかにイメージを膨らませて打ち合わせするかが大切だと思います。」

どのような食器をどのような収納ケースを使ってしまうのか…までを考えておくと、オーダーの際にとても役立ち、aki_san_chiさんのように納得のいく造作棚が完成するんですね。

編集後記

コンパクトさを感じさせない開放的なリビングに、おしゃれなカフェを思わせるキッチンや洗面台、お気に入りの要素に溢れたaki_san_chiさんの北欧ナチュラルなお家は、いつまでも眺めていられる素敵な空間でした。

旗竿地という土地との巡り合いから、その形状を見事に活かした間取りの工夫はとても参考になりました。

また、一般的にデメリットと思われる要素も、メリットに転換できる発想は、家づくりのどの部分にでも役立つとても大切なことなのかもしれませんね。

aki_san_chiさん、ありがとうございました!

■今回お話を伺わせていただいたかた
aki_san_chiさん

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アリカ(片づけ遊び指導士) ■ワンオペ対応の《楽家事収納》づくり♡ ■9歳6歳♀2歳♂単身赴任の夫の5人家族♪ ○シンプルホーム編集部