注文住宅

「完全分離型二世帯住宅」で叶えた理想の二世帯ライフ – m_home_hさん

「完全分離型」という新しい二世帯住宅のかたちを選択されたm_home_hさんの注文住宅。プライベート感溢れる中庭や、細部にまでこだわった造作の数々は「暮らしやすさ」が詰まった理想の住まいです。

基本情報

お住まい:東海エリア

ハウスメーカー: –
構造:在来軸組工法(木造)

敷地面積:140坪
延床面積:55坪

家族構成:夫、妻、 息子、祖母

打合せ期間
間取り:1年半
内装:1年

「完全分離型二世帯住宅」というスタイル

みなさんは、様々な二世帯住宅の形がある中で「お互いの暮らしに干渉しない」ことを前提にした新しい二世帯のスタイル「完全分離型二世帯住宅」をご存知でしょうか?

この完全分離型二世帯住宅を採用し、「親世帯・子世帯間」で互いに程よい距離感を保ちつつも、集いの場所も確保した理想の二世帯ライフを送られているm_home_hさんにお話を伺いました。

マイホーム計画とともに考えた二世帯住宅のスタイル

ーm_home_hさんのお宅の家族構成や、二世帯住宅にされた経緯について詳しく教えていただけますか?

m_home_hさん:「はい。私たちは、夫婦と子ども1人に子世帯と、夫のお母さんの親世帯で完全分離二世帯住宅に住んでいます。

マイホームを考え始めたころ、当時一人で暮らしていたお義母さんのことを考え、なにかあったときに近くにいてあげたいという夫婦の想いから二世帯住宅での同居を決めました。

まだまだ元気で仕事もされているお義母さんとはお互いに適度な距離を保ちつつ、水回りを含めた生活スペースをそれぞれ確保したいという希望を共有できたため、完全分離型での二世帯住宅という形に落ち着きました。」

m_home_hさんのお宅のような「完全分離型の二世帯住宅」というのは、玄関をはじめキッチンやお風呂、トイレなど家の中の設備をすべて2つずつ設置するスタイルのことをいいます。これには1階と2階で世帯を分ける「横割り」のパターンと、壁で区切って左右で世帯を分ける「縦割り」パターンがあります。

ーm_home_hさんのお宅は「縦割り」の完全二世帯住宅ということですね?

m_home_hさん:「はい、そうです。わが家はお義母さんが1人ということもあり、親世帯は平家の1階建て、子世帯は2階建ての縦割りスタイルを採用しました。二世帯というと、1階と2階で世帯を分けることが多いかと思いますが、そのスタイルよりもお互いの生活音を気にせずに過ごせるというメリットを考え採用しました。」

2階建て以上の建物を建て、階で世帯を分けて設備共有する二世帯住宅と比べ、縦割り世帯を分離することで程よい距離感とプライバシーが確保できるんですね。

気配を感じさせない間取りの工夫

二世帯住宅を計画するにあたり、間取りでは互いにプライバシーを干渉しないような配置を重視されたそうです。

「出掛けたり、帰宅したかどうかも分からないようにするために、玄関の位置は南側と東側に分かれて設け、できるだけ離すようにしました。」

また家の中心につくった中庭には親世帯側には窓を設けず、子世帯専用のスペースにされました。その代わり、親世帯側にはリビングを出たところに別に庭をつくったそうです。

二世帯住宅いずれも庭を持てるというのも、m_home_hさんが選ばれた縦割りスタイルのメリットのひとつなんですね。

共有スペースを設けて憩いの場所も確保

完全分離型で親世帯・子世帯、それぞれを縦割りで分離されたm_home_hさんの二世帯住宅。ですが間には、和室という共有のスペースを設けられました。程よい距離感を保ちつつ、憩いの場所もしっかりと確保したそうです。またこちらの和室は、来客時にお客様に泊まってもらえる部屋としても使用することを想定されたそうですよ。

「親世帯、子世帯どちらからでもアクセスはできますが、メインで使用するのは私たちになりそうだったので、子世帯のLDKからは引き戸3枚で仕切り、開け放して広々と使えるように考えました。」

暮らしはじめてからの生活スタイルもしっかりと考慮して、間取り作りに反映されたそうです。

完全分離型二世帯住宅に暮らして

「今は夫婦共働きで、子どももまだ手がかかる時期なので、保育園の送り迎えなどをお義母さんにお願いして頼ることも多いです。」というm_home_hさん。

今の完全分離型のスタイルは、普段はお互いのスペースで生活しながらも、頼りたいときや、食事を一緒に食べたいときなども気軽に誘えたり、いざというときに声が掛けやすいという点にメリットを感じているそうです。

「ただ息子は自由に行き来しているので、お義母さんの寛大さに甘えている部分もありますが笑」と、親世帯との心地の良い距離感についてお話ししてくださいました。

中庭のある開放的なリビング

日当たりがよく、どこから見てもおしゃれなm_home_hさんのリビングには、こだわりの設えもたくさん。なかでも独立した中庭のある暮らしは憧れそのものです。

心地良さと開放感をを存分に楽しむ中庭

もともとキャンプやアウトドアがお好きだったというm_home_hさんご家族。マイホームでも、大人数でBBQが楽しめるようなお庭は必須条件だったそうです。

さらに、周りからの視線を気にしなくても良いように、プライベート感も重視されたポイントなのだとか。四方を囲まれた今の中庭のスタイルは、まさに理想を形をされたものだとおしゃいます。

木製ルーバーでおしゃれに目隠し

建物をコの字型に配置して、その中心部にもうけた中庭。風通しは確保しつつも、外からの視界を遮るために、フェンス代わりに木製のルーバーを造作したそうです。機能性だけではなく、視覚的にもおしゃれな雰囲気を醸し出していてとても素敵ですね。

スタイリッシュなアクセントウォール

そんなプライベート感を高めた居心地のいい中庭をのぞむ開放的なリビング。こちらの吹き抜け部分の独特の風合いの壁は、ジョリパット塗りなのだとか。

「もともとはモルタル塗りを希望していたんですが、キッチンにモールテックスを採用していたので、設計士さんの提案で吹き抜けの壁は質感を変え、外壁と同じジョリパット塗りにしました。」

現場でサンプルを作ってもらい、やり過ぎないコテ跡と色合いで、納得いくものが完成したそうです。

デザイン性のある照明をプラス

吹き抜けのジョリパットの塗り壁の両脇には、デザイン性の高いブランケットライトがひときわ目を引きます。広い面積の壁に設置することを考え、照明にもある程度の存在感を持たせたかったというm_home_hさん。

そこで色々と探して見つけた結果、なんと海外のサイトから商品を取り寄せたのだとか。妥協のないこだわりっぷりに脱帽ですね。

吹き抜けの寒さ暑さ対策

吹き抜けリビングで懸念されがちな断熱性の対策について、冬の寒さは床暖房で、夏の日差しは遮熱タイプのロールスクリーンを2階窓に付けることで対策を取られました。実際に真夏と真冬を経験されたそうなのですが、LDKの冷暖房の効きも良く、問題なく過ごされたと言うことです。

明るく開放感のあるリビングを叶えるために、どうしても譲れなかった吹き抜けも、計画の段階でしっかりと対策を取ることが重要だと教えていただいた気がします。

家族みんなの居心地のいい空間へ

造作した木製ルーバーのおかげで、外からは全く中が見えない開放的な中庭。大人数でのプールやBBQを存分に楽しむことができているそうです。

「リビングの1階部分はカーテンを付けなくても外の視界を気にせずに過ごせています。夫は気候の良い時期にはウッドデッキで晩酌するのがお気に入りなんです。外観的にも我が家の顔となっている木製ルーバーは、機能性だけでなくデザイン的にも採用して本当に良かったです。」

ご家族が心置きなく、思い思いに過ごせるプライベートな空間を確保でき、開放的な暮らしが可能になったのだとか。

さらに、吹き抜けリビングと中庭との自然な繋がりも感じることができ、25帖のLDKがそれ以上に広がりのある空間に感じられるそうです。

「開放感がある分、リビングの音も若干2階まで響いてしまいますが、子どもの成長に合わせて必要な対策を取ればいいのかな、ぐらいに思っています。」

と将来的なことについても話してくださいました。

造作キッチン・洗面台に込められたオリジナリティ

m_home_hさんご自身でも「お気に入りを詰め込んだ」とおっしゃっられるこだわり溢れる素敵なキッチン。無機質な印象になりがちなモルタルも、どこか温かみのある上質な空間に感じられます。

「箱」をイメージしたキッチン

「キッチン自体を『コンクリートの箱』をイメージしてつくりました。それを引き立足せるために、背面にはあえて収納を設けませんでした。」

というm_home_hさん。『箱感』を実現するために、キッチンの仕様は詳細にオーダーされたと言います。

「キッチンの面材は下地材の状態から現場でモールテックス塗装を施してもらいました。加えて、天板には見た目とお手入れのしやすさを考えて、薄いステンレスを使い、バイブレーション仕上げ(細かい模様を表面につけていく研磨する手法)でお願いしました。」

そんなこだわり抜いたキッチンと並んで設置されたオーク材のダイニングテーブルも、一体感を出すために造作されたのだとか。

またパントリー代わりに、背面のカップボードも造作されました。たっぷりの収納力でありながらも、スッキリとして見えるのは、カウンター部分にダイニングテーブルと同じ木材を使用しているからなのかもしれません。

キッチン全体をトータルでコーディネートされたからこそ、素敵な統一感に包まれています。m_home_oさんのお宅はキッチン以外に、洗面カウンターにもモールテックスを採用されています。

「もともとモルタルの質感が好きだったことと、水回りは毎日何度も使う場所なので、日々の使いやすさを重視しました。同じ素材を取り入れたことも、家全体に統一感を演出できたと思います。」

インパクトのある思い切ったタイル貼り

_m_home_hさんのお宅といえば、キッチン同様にこだわって造作された洗面所も魅力に溢れています。なかでも、床に貼られたヘキサゴンタイルがなんともかわいらしく印象的です。

ーこちらのタイルを貼られる際に、いちばんこだわられたことはなんですか?

m_home_hさん:「そうですね。冬場に奥の浴室から洗面を通るとき、素足だとタイルの冷たさをダイレクトに受けてしまいます。なので、タイルを避けられるように全面ではなくあえてランダムに貼りました。これはフローリングの木目とタイルの境界を曖昧にすることで、シンプルな空間のアクセントにもなっていてとても気に入っています。」

洗面台は使いやすさも大切なポイント

毎日使う場所なので、見た目だけではなく使いやすさやお手入れのしやすさも譲れないポイントだったそうです。シンクは、洗濯にも使えるように大きめの病院用シンクを採用し、継ぎ目がないように造作してもらったのだとか。水はねを抑えるために壁付水栓もオーダーしたそうです。

こだわりの水回りは気分を上げてくれる大切な場所

モールテックスで造作した水回りは、水滴がついても拭き取れば跡に残らず、既製品には出せない独特の素材感があり満足のいく仕上がりだとおっしゃいます。

「ただ、来客時には洗面を使う頻度が増え、カウンターが水浸しになっていることもあります。正直、お手入れのしやすさでは造作よりもメーカーのシステムキッチンや洗面化粧台の方がいいのかもしれません。ですが、自分で考えてオーダーしたお気に入りの空間なのでここに居るだけで気分が上がるんです。」

そんな正直な感想も聞かせてくださいました。また、「これからも毎日のお手入れを含め愛着をもって使っていきたいです。」というお言葉もとても印象的でした。

編集後記

プライベート感のある中庭や、造作で作られたキッチン・洗面台などm_home_hさんのお宅は憧れがたくさん詰まったとても素敵なお宅でした。

なかでも、キッチンと洗面所のタイル使いが素晴らしく「こんなにセンス溢れるタイルの貼り方があるんだ…」と、個人的に惚れ惚れしながら拝見させていただきました。

色のトーンを抑えたインテリアや小物の飾り方もどこをみても美しく、いつまでも眺めていられる心地の良い空間したね。

m_home_hさん、ありがとうございました。

■今回お話をお伺いさせていただいたかた
m_home_hさん

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アリカ(片づけ遊び指導士) ■ワンオペ対応の《楽家事収納》づくり♡ ■9歳6歳♀2歳♂単身赴任の夫の5人家族♪ ○シンプルホーム編集部