注文住宅

28坪でも開放的な暮らしを実現する2階リビングのお家 – ayagram_homeさん

28坪という土地とは感じさせない工夫が詰め込まれた開放的なayagram_homeさん邸。そらのまのある2階リビングに、家具のようにみせたキッチンなど、インテリアにもこだわり抜かれた家は、動線への配慮も忘れていません。子供たちが「自分のことは自分で」を実現できる注文住宅になっています。

基本情報

お住まい:神奈川県

ハウスメーカー:へーベルハウス(旭化成ホームズ)
シリーズ:CUBIC そらのま

構造:軽量鉄骨構造

敷地面積:28坪
延床面積:35坪

家族構成:夫、妻、娘、息子

打合せ期間と回数
間取り:1年2ヵ月
内装:5回程度

開放感溢れる使い勝手の良い2階リビング

28坪の土地に建てられたayagram_homeさん邸。広い土地に建てた大きな家という印象を抱いていましたので、土地の広さを伺ったときは驚きました。

そのような決して広くはない土地で、希望の暮らしを叶えるために選んだのは2階リビング。

1階にリビングを持ってくるとなると、駐車場と玄関に空間を圧迫されてしまい、広いスペースを設けることはできません。そのため、家族みんなで過ごす広々としたLDKをつくるには、2階リビング一択だったそうです。

階段に面した2階リビングは、ガラスの手すりで解放感を

2階に配置されたリビングは、限られた広さの中でいかに解放感を出せるかということを重視されたそうです。階段と吹き抜けをリビング内に設けることで、空間の一部として取り込み、実際よりも広く感じるつくりになっています。さらに、吹き抜けに面した腰壁は、視線が抜けるガラスパネルを採用されています。

2階にありながら、帰宅後すぐにアクセスできるリビングへ

2階リビングの家にするにあたって危惧していたことは「帰宅後、荷物を持って上がるのは大変なのではないか」ということ。ですが、それは杞憂に過ぎなかったそうです。

その理由を、階段を玄関の目の前に設けたことと、玄関ドアを開けてからリビングまでに扉がないことではないかと考えていらっしゃるそうです。

階段を上がる前に手を洗う習慣を

このように、階段を玄関の目の前に設けられたというayagram_homeさん邸ですが、階段と玄関の間には造作の洗面所が設けられています。

以前住まれていた賃貸(2階建ての戸建てで1階リビング)では、リビングのない2階に水道がなく、とても不便だったそうです。そのため、2階リビングに決めた時点で、1階にも洗面所を作ることは絶対条件だったとか。

「洗面所を玄関横に配置したのは、帰ってきてすぐに手洗いが出来るからです。これを決めた時点ではまだコロナが発見される前でしたが、コロナ禍の今、本当につけてよかったなぁと思っています。」と、今ではそのありがたみを実感しているそうです。帰宅してリビングに上がるまでの経路にあることで、自然と手を洗う習慣が身につきそうですね。

スイッチニッチは階段上り口に

階段の上がり口にはインターホンと床暖房、照明のスイッチが収められたスイッチニッチを設けていらっしゃいます。通常、キッチン横の壁に設けるケースが多いスイッチニッチ。

「2階リビングですので、階段上すぐがベストな位置かと考えここにしました」とおっしゃるように、動線上の利点も多いそうです。

また、こちらのインターホンでは玄関ドアの施錠開錠ができるようにしてあるため、わざわざ1階に下りずに済むのだそうです。ちょっとした工夫が、後の生活動線のストレスをなくしてくれるのですね。

「そらのま」で広がりを持たせた空間

そんなayagram_homeさん邸のリビングを拝見して目に飛び込んでくるのが「そらのま」という屋外空間。

「そらのま」は2階リビングの天井を「ひらく」という発想で、そらとゆるやかにつながり、心地よい光や風をとりこんだ、室内と同じように使えるオープンエアのマルチスペース(へーベルハウスHP参照)

ayagram_homeさん邸では、そらのまに面したリビング側とダイニング側に大きな窓をつけることで、視線が抜けるようにされています。この視線の抜けこそが、視覚的効果によって解放感を感じさせてくれます。

また、リビング側には「フォールディングウィンドウ」という、折り畳むことで全開にできる窓を採用したことで、空間のつながりをより一層感じられるのだとか。

ミニサイズの巾木で空間を広くみせる

先述のガラスパネルを採用した腰壁や、「そらのま」と呼ばれる戸外空間のほかにも、ayagram_homeさん邸をスッキリ開放的に見せてくれる工夫が隠されていました。

「巾木(はばき)」です。

ayagram_homeさん邸では、ミニ巾木と呼ばれる高さが低めの巾木を採用されていらっしゃいます。こちらはへーベルハウスで選択できるものだそうで、通常の高さの巾木に比べ、空間を広く見せる効果があるとか。また、巾木は床色に合わせたオーク色を選択していらっしゃいます。

「アクセントクロスを使っている箇所が何箇所かあるので、メインクロスに合わせて巾木の色を白にしてしまうと、巾木だけが浮いてしまうと思ったからです。」

他にも白ではないことで、汚れが目立ちにくいという利点もあるそうですよ。

明るく過ごしやすい空間に

たくさんの工夫が溢れていたayagram_homeさん邸。

「雨や曇りの日も日中は電気をつけることがないくらい、想像していた以上に明るいです。道路からの視線もまったく気にならないので、日中はバーチカルウインドウを開けて、開放的に過ごせます!」と、充実した暮らしを過ごしていらっしゃる様子が伝わってきました。

機能性に溢れたキッチン周り

ayagram_homeさん邸は、ダイニングとキッチンが横並びの間取りになっています。

「横並びの配置は、配膳が楽だという理由で選びました。以前住んでいた家はキッチンとダイニングの配置がTの字だったのですが、いちいち回って配膳するのが面倒で…。」

また、キッチンからリビングを見渡せるようにしたいと、リビングはキッチン前に設けL字のLDKに。夕飯の準備をしながら、子供がリビングで遊ぶ様子を見たり、スタディスペースで勉強している様子を見ることができる間取りになっています。

海外のキッチンに憧れて

そんな部屋中を見渡せるキッチンは、パナソニックのLクラスキッチンを採用されました。

「造作キッチンや造作カップボードにしたかったのですが、毎日酷使する場所なので、使いやすく劣化しにくいキッチンにしました。」

そうおっしゃるayagram_homeさんは海外のキッチンに憧れがあったそうですが、デザイン性だけでなく機能性も重視されたそうです。

また、キッチン本体のカラーと吊戸棚のカラーを変えることで家具の様に見えるキッチンを目指されたそうです。サンドベージュの框扉(かまちとびら)と、奥に見える吊戸棚のオークの組み合わせが絶妙ですね。

設備にもこだわって

そんなキッチンの水栓は「タッチ水栓」。使いたいときに水栓のどこかに触れるだけで吐水止水が出来るのだそうです。

「ショールームでタッチレス水栓も試してみたのですが、不器用な私には使いこなせませんでした(笑)」

また、食洗器は大容量のミーレのもの。朝、昼、晩に使った食器を全て収納できるほどの容量で、夜一回運転するだけで済むそうです。「食器洗いによる手荒れがひどかったのですが、引っ越してきて手荒れしなくなりました!」と、今では手放せない存在に。

化粧天井で奥行き感を出して

キッチンの上には板張りの下がり天井が施されています。当初、キッチン上部だけに施す予定だったそうですが、ダイニングまで伸ばすことで奥行き感を出されたそうです。

また、ダイニングのモンドリアンウィンドウの窓枠上部に高さを合わせて配置したことで、スッキリとした空間に見せています。

家事楽につながるタイル床

また、キッチンの床にはタイルを使用したことで、油が跳ねても水が垂れてもさっとお掃除できるようになっているそうです。

タイルはその機能性の反面、冬場は冷たくなるというデメリットもありますが、ayagram_homeさん邸では床暖房を入れることで解決されていらっしゃいます。

キッチン横のパントリーにはマグネットクロスを

そんなタイル床で続くキッチン奥のスペースは、ウォークスルーできるパントリースペース。

冷蔵庫も置いてあるというパントリーには大きなニッチがあります。このニッチにはベージュのクロスを採用されていますが、下地にマグネットクロスを入れることで磁石がくっつく仕様にしてあります。生活の工夫が溢れたキッチンになっていますね。

「家族の予定を書き込んだカレンダーや、学校のお手紙などをペタペタと貼り付けています。私はよく使うパントリーですが、お客様から見えない位置なので、乱雑に貼ってます(笑)」

家事動線と家事楽を意識した水回り

2階リビングであることから、家事動線を考え全ての水回りを2階にされたayagram_homeさん邸。

以前のお家では1階に洗濯機、2階に干す場所があったそうですが、水を含んだ洗濯物はとても重いのでなかなかの重労働だったそう。そこで、洗濯、干す(乾かす)をリビングのある2階でできるようにと考えられました。さらに、子供たちの洋服も2階に収納できるようにすることで、しまうまでの一連の動作がしやすくなっています。

洗濯する場所、干す場所、しまう場所、この3つをすべて同じ階に設けることで家事楽につながっているのですね。

ランドリースペースを兼ねた脱衣所

ふだんは夜に洗濯し、タオル類とお子さんの下着類は乾燥機の乾太くんへ、それ以外の洗濯物は天井に取り付けたホシ姫サマを利用して干されているそうです。朝起きたら、乾いた洗濯物を片付けるというスタイルをとられています。

壁厚を利用した埋め込み収納

そんなサニタリースペースも兼ねた脱衣所には、エイダイの埋め込み収納が。壁厚を活用してつくられた収納は狭いスペースでも有効的に収納できる優れもの。

上部の開き戸にはバスタオルのストックやティッシュをしまいっていらっしゃいますが、こちらは扉を開けずに取り出すことができるのだそうです。

また、入浴の際には、普段は閉じておけるカウンターを開いてパジャマ置きにし、下についている可動式のタオルハンガーにバスタオルをかけていらっしゃるそうです。壁厚を有効活用した収納は必見ですね。

子供が自分で身支度を

脱衣所隣の洗面向かいには、ファミリークローゼットを作られたというayagram_homeさん。ランドセルや教科書のなどの学用品に加え、子供服やハンカチ、そして習い事のバッグなどが収納されており、全て自分で支度できるようにしてあるそうです。

ランドセルなどを置いているシェルフは無印のもので、収納するものに合わせてシュミレーションして組み立てられたそう。

また、子供服は既存のハンガーバーにかけることで二段にできるブランコハンガーを用いて上下に収納できるようにし、子供でも取り出しやすく、更には収納量をもUPさせるなど工夫持溢れています。「自分のことは自分で」というモットーをたった1畳ちょっとのスペースで実現されています。

編集後記

お写真を拝見し、広い土地に建てた広くて大きなお家という印象を持っておりましたayagram_homeさん邸。

そのため、28坪の土地に建てられたと知ったときは驚きました。そして同時に、狭い土地でも工夫次第で「解放感」を生み出すことができるのだと痛感しました。

また、お子さんたちのの学用品や衣類を中心に収納しているファミリークローゼットも必見でした。必要なものがいろんな場所に散らばってしまうと、動線が悪いのは大人も子供も同じだという視点はとても参考になりました。子供の視点に立てば、必要なものが一カ所にまとめてあることで、忘れ物もなくなりますし、自分自身で管理する力が身につきそうです。

ayagram_homeさん、たくさんの気付きをありがとうございました。

■今回お話を伺わせていただいたかた
ayagram_homeさん

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