注文住宅

間取りへのこだわりが魅せる、こだわりのつまった明るく開放的な住まい – nanahome_1016さん

全国で活躍されている一級建築士の先生が設計されたというnanahome_1016さん邸。LDKをより広く見せる秘訣から視覚的にも楽しめる工夫など、その細やかなこだわりはさすがとしか言いようがなく、これから注文住宅を建てられる方にも多くの気付きを与えられるのではないでしょうか。そんなnanahome_1016さん邸のこだわりが詰まったお家をご覧ください。

基本情報

お住まい:中国エリア

工務店:the house
シリーズ:なし
構造:在来軸組工法(木造)

敷地面積:140坪
延床面積:34坪

家族構成:夫、妻

打合せ回数(または期間)
間取り:4回
内装:建築士の先生4回、家具コーディネーターさん2回

大開口窓の中庭と繋がる、明るく開放的なLDK

お家づくりのキッカケは、築40年の借家住まいの経験からだとおっしゃるnanahome_1016さん。

「借家のリビングは窓が少ない為暗く、冬は寒く夏は暑く光熱費がかさみました。リビングに面した縁側は人目が気になり洗濯物すら干しにくい環境でした。」

そんな苦い経験を元に、平屋で明るいリビングと、人目の気にしなくてもいい中庭、そんなnanahome_1016さんのオーダーを建築士さんがしっかりと受け止めて形にしてくださったそうです。

「打合せ中、思いが強かったからなのか、何度も明るいリビングが良いと発言していたようで。(笑)さすがにこれは明るすぎるのでは?と私達が心配になる程の大開口窓を提案してくださりました。」

そうおっしゃるように、LDKにはたっぷりと日差しが注がれ、とっても開放的な空間ですね。

ロールスクリーンは天井掘り込み式でスッキリと

ロールスクリーンは天井掘り込み式のカーテンボックスを採用されたそうです。掘り込み式にする事で大開口窓が最大限に生かされ、LDKがより広々と見えますね。

「細かいこだわりポイントですが、白い壁側のチェーンは白色、黒い柱部分には黒のチェーンとなっています。 黒の柱に白のチェーンは目立ったと思うので、拘って良かった箇所です。」

まさかチェーンの色にまでこだわっていらっしゃったとは感服です! ロールスクリーンのチェーンを壁や柱部分と同色に変更することで、デザイン的にも視覚的にもスッキリと整い、よりナチュラルに仕上がるさまはぜひ参考にしたいですね。

視覚効果でLDKをより広く見せる中庭との繋がり

大開口窓の向こう側は、奥行き2m、長さ10mの中庭が広がっているnanahome_1016さん邸。ウッドデッキは視覚的にLDKをより広く見せるため、リビングのフローリングとウッドデッキの板の向きを合わせているのだそう。そんなウッドデッキ、素材にもこだわりが。

「ウッドデッキの素材にはウリンを使用しています。無機質なコンクリートに人工的な樹脂素材を合わせるのではなく、温かみのある天然木を選びました。メンテナンスフリーのウリンは扱いやすく、半永久的な耐久性があるそうです。これからお家と共に経年劣化を楽しみながら過ごしていきたいと思います。」

天然木の弱点でもある耐久性は、ウリン材を使用することで半永久的、その上メンテナンスフリーという、まさに夢のようなウッドデッキですね。

コンクリート塀でプラベート空間を演出

外観の構成を考えた際に取り入れたかったのが、お写真手前にどっしりと構える打ちっ放しコンクリート塀だとおっしゃるnanahome_1016さん。

「ファサードデザインのポイントにもなりますが、シンプルで重圧感のある素材のコンクリート塀が、プライベート空間を演出してくれています。そのおかげで人目を気にしなくても良いので、ウッドデッキでは晩酌をしたりとフレキシブルに楽しんでいます。」

そうおっしゃるnanahome_1016さん。新居ではカーテンのない暮らしに憧れていたそうで、こちらもコンクリート塀が叶えてくれたそうですよ。

自分達に合った間取りと動線で、ゆとりある暮らしに

「自分たちにあった快適な導線、間取りが日々の暮らしにゆとりを作ります。心地良く過ごせるのは、明るい空間、繋がりのある中庭がある理想のLDKを実現出来たからだと思います。お家作りで譲れないポイントや、優先順位を付けて考えた家づくりが、過ごしやすいリビングになると思います。」

リビングで映画鑑賞をしたり、雑誌を読みながらゆっくりコーヒーを飲んだり。お家の中で一番長い時間を過ごすリビングは、以前の住まいとは比べ物にならないぐらい快適で豊かなものになったのだとか。自分たちに合った、自分たちらしさを実現できる、そんな暮らしやお家を実現されたいかたには、とっても参考になるアドバイスですね。

入居1年目でリノベーションした、こだわりのキッチン

キッチンをリノベーションしようと考え始めたのは、住んで一年目のことだとおっしゃるnanahome_1016さん。造形の自由度が高いモールテックスキッチンに心を惹かれ、思い切ってリノベーションされたそうです。

「夫の仕事の関係で8〜10人程の来客が多い我が家。ダイニングテーブルは最大で7人程度座れますが、私たち夫婦はソファーに座るしか居場所がなく、もう4人座れる場所が欲しいなとずっと思っていました。そこでキッチンカウンターにリノベーションすることを考え始め、出会ったのがモールテックスという素材でした。」

同じくモールテックスでベンチを製作することで、大勢の来客があってもご夫婦の座る場所が確保されていますね。

ベンチはキャスター付きで、フレキシブルに

ベンチは一見持ち運びが大変そうなくらい重そうに見えますが、実は内側は空洞になっているそうです。さらに内側にはストッパー付きのキャスターが備えられているので、簡単にベンチを移動させることができ、飾り棚としても使用することがあるそうですよ。

モールテックス素材のメンテナンス

「モールテックスの定期的なメンテナンスにはモールテックス専用のBEAL WAXをスポンジで塗布しています。定期的なメンテナンスをしても水染み、油染みになってしまっています。手間がかかる、シミが出来る・・・。それを差し引いても私はモールテックスにして良かったと思っています。我が家にとって唯一無二のキッチンとなりました。」

そうおっしゃるnanahome_1016さん。理想のキッチンに生まれ変わった今では、ワックスがけも習慣となり、日々愛着が増してくるそうですよ。モールテックスはメンテナンスが必要なため、採用したくても悩んでいられる方がきっと多いはず。nanahome_1016さんの言葉は心強いですね。

キッチン背面収納は扉で生活感を隠してスッキリと

「オープンなキッチンカウンターが多い中、我が家は扉付きのものにしました。急な来客時も、扉を閉めるだけで生活感を隠し整った空間にしてくれます。」

そんなスッキリ整った空間の秘訣は、こちらのキッチン背面収納にあるのだとか。マットブラックの扉は270センチサイズで既製品になかったため、造作で作っていただいたオリジナルの物だそう。

背面収納内はスモーキーカラーの壁紙(サンゲツのFE1041番)を使用されており、落ち着きのある色合いに。ブラック、グレーと寒色系で揃えているので、中の可動棚は温和なタモ材を選んで温かみをプラスし、バランスよく調整されているのも参考にしたいポイントですね。

スタディースペースを設けてPCの定位置を

キッチン背面収納の一番端にはスタディスペースを設けていらっしゃるnanahome_1016さん。

「ここにはPCとプリンターの定位置と決めてそのまま使えるようにしました。収納場所でもあり、使用する場所でもある、というのがコンセプトです。」

これは以前住んでいた家で重たいプリンター、アイロン台を何度も出し入れした苦い経験からだそうです。収納の中に定位置を作ることで、多少散らかってしまっても背面収納扉で生活感を隠すことができるのもメリットですよね。

リノベーションしたキッチンの暮らしは

「先日、夫がカウンターキッチンのベンチに座ってジャガイモむきを手伝ってくれました。対面で会話しながら、好きとこだわりが詰まったキッチンを囲んで過ごし、とても心地の良い時間でした。」

そんななんとも微笑ましいお話で、ご夫婦の仲の良さがこちらまで伝わってきます。スッキリされた空間の秘訣でもあるキッチン背面収納は、隠すだけではなく、扉を閉めて埃防止にも役立つのが嬉しいですよね。

「好きな作家さんの作品を並べ、好きなものに囲まれて暮らしたいという夢も叶えられ、より心地良いキッチンとなるよう楽しみながら、カスタマイズを続けたいと思います。」

とおっしゃるnanahome_1016さん。これからの変化もとっても楽しみです。

リゾートホテルを連想させるかのような洗面スペース

「夫とは習慣的に一緒に歯磨きや顔を洗う事が多かったので、いつも蛇口の取り合いになっていた事から、洗面ボウルは2つと決めていました。」

朝の混雑を防ぐために選んだという、広いカウンターに並ぶ2つの洗面ボウル。また、大きな鏡がよりリゾートホテルのようでうっとりとしてしまいます。さらにもう一つのこだわりが。

「家の中でも視覚的に楽しめる空間が欲しいと思い、イメージのストックを建築士の先生にお見せしたところ、パーテーションガラスを使った植物も置くことができる温室を提案していただきました。」

その提案をもとにパーテーションガラスを採用することで、空間に奥行きが生まれて開放感のある洗面スペースになっています。温室の植物がリゾート感を演出されており、ため息が出るほどの美しさですね。

四季をも感じる天窓の存在

温室には植物を置く予定だったため、成長するようにと天窓を配置されたそうです。洗面スペースの採光も充分に取れ、青空を感じれる癒しの空間になっていますね。そんな素敵な天窓ですが、唯一のデメリットが。

「天窓はなかなか掃除が出来ないので、汚れがひどくなればプロの方に清掃作業をしてもらわなくてはなりません。これは唯一感じたデメリットです。」

しかし、そんなデメリットはなんのその! 屋根より伝わってくる雨音や、四季を感じる入道雲やうろこ雲を眺めるられる天窓にとっても愛着を感じているそうですよ。

洋画で見つけたアイロン台を取り入れて理想の洗面スペースに

海外の映画で知ったアイロン台を、施主支給で取り付けたというnanahome_1016さん。

「海外の映画で見て、なんて便利なのだろうと思い調べたところ、販売店を見つけることができたので取り付けをお願いしました。」

そう話すこだわりのアイロン台は、ハーフェレの組み込み式。必要な時だけ引き出して使用するので、普段は収納棚にスッキリと収まっています。

収納棚には無印のラタンボックスを使用し、アイロンや洗面用具のストックを収納。ラタンボックスがよりホテルライクな仕上がりになって相性バッチリですね。

天窓からの優しい光でその日1日のスイッチを

洗面スペースは、一番のお気に入りだとおっしゃるnanahome_1016さん。

「朝の天窓から優しい光が差し込み、顔を洗って身支度を済ませ、夜はこの場所で肌のお手入れをして歯磨きをして眠りにつく・・・、とON・OFFのスイッチが入る場所でもあります。」

洗面スペースを広く取るために、脱衣所は必要最低限の広さにしたり、廊下のない間取りにしていたりと、至る所に考えられた工夫も。洗面の鏡が設置された壁は、玄関→手洗い洗面→WIC→キッチン→と回遊動線も叶えられているそうですよ。日々の暮らしが豊かな秘訣は、回遊動線で繋がった間取りにも理由があったのですね。 

編集後記

中庭に面した大開口の掃き出し窓が印象的なnanahome_1016さん邸。

コンクリート塀で中庭を囲い、プライバシーが守られたLDKは、人の視線が遮断されるため、心からリラックスできる空間となっておりますね。

入居1年目でリフォームされたキッチンは、モールテックスという素材を選ぶことで、定期的なメンテナンスも必要となりますが、そんな一手間も惜しまないほどnanahomeさんにとって唯一無二のキッチンとなったそうです。

洗面スペースの一角に温室を採用するといったアイデアも、きっと参考にされたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。

有名建築士さんならではのこだわりで溢れたnanahome_1016さん邸、本当に素敵でしたね。

nanahome_1016さん、ありがとうございました。

■今回お話を伺わせていただいたかた
nanahome_1016さん

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