天井にシナ合板を配した吹き抜け大空間や、暮らしにゆとりをもたらしてくれるペレットストーブのあるm__koti.2さん邸。以前のお住まいや実家での暮らしから得た経験をもとに考えられたキッチン、そしてたくさんの室内窓やくり抜きニッチを設けることで空間に抜け感やあそびをもたらしたつくりは注文住宅ならではです。
基本情報

お住まい:長野県
ハウスメーカー:地元工務店
構造:在来軸組工法(木造)
敷地面積:75坪
延床面積:35坪
家族構成:夫、妻
打合せ回数
間取り:3~4回
内装:7~8回
心地よい光が差し込む、吹き抜け大空間

明るくて開放的な空間が好きで、吹き抜けのある大空間にも憧れていらっしゃったというm__koti.2さん。実際に見学したモデルハウスでその想いが強まり、大きな吹き抜けのあるお家を建てられました。
吹き抜け天井にはシナ合板を用いることで、ホワイト×ナチュラルウッドの爽やかな組み合わせに。このシナ合板が標準仕様だったということも、工務店の決め手になったそうです。
「吹き抜けは音が響くとか、ニオイが上がるとか、空調効率が悪いとか…デメリットも多いく言われますが、そんなことが全く気にならないくらい、この開放感はたまりません!」
お休みの日にソファに寝転がって高い天井を見上げると、とてもリラックスできて最高の気分になるのだとか。
壁掛けテレビの関連機器はニッチ、配線は階段下収納に集約!

m__koti.2さん邸のテレビは空間をスッキリ見せてくれる壁掛けタイプ。間取り上、テレビの前が通路になるため、なるべく出っ張りをなくそうと考られたそう。同じ理由でテレビボードも置かれていません。
テレビボードの代わりに、建築士の方から提案されたニッチを設けています。元々もっていたというスピーカーのサイズとぴったりに作られたニッチには、上段にスピーカー、下段にDVDデッキやゲーム機器を収納されています。
テレビ壁の裏側は階段下収納になっており、壁に穴をあけ階段下収納側へと引き込むことで、配線が見えない仕組みになっています。
リビングに続く和室

リビングの一角にあり、2方向から入れるようになっている4.5畳の和室。リビングとはフラットにつながっており、間仕切りの扉を閉めれば独立した空間にすることもできます。
「リビングが広いわけではないため、個室や小上がりなどにはせずに空間のつながりを持たせました。普段は開けっ放しでリビングの一部になっています。」
以前のお住まいになかったことから欲しいと思われていた和室。義理のご両親がいらした際に寝室として使用してもらえば、2階に上がらずワンフロアで過ごすことができるため、重宝されているそうです。
「和室部分は天井も低く、間仕切りの引き込み分の壁もあることでこもり感があります。開放的な吹き抜けリビングとのメリハリがあり、それぞれの良さが生きている感じがします!」
数年前にこたつを導入してからは、なかなか抜け出せないこともあるそうですよ。
暮らしを豊かにしてくれるペレットストーブ

m__koti.2さん邸では暖房器具としてペレットストーブを利用されています。もともと薪ストーブへの憧れがあったそうで、様々な製品の中からより薪ストーブの雰囲気に近いものを選ばれたそうです。
ペレットストーブには、ストーブの外側表面が熱くならないタイプのものもあるそうですが、m__koti.2さんが選ばれたものは天板まで熱くなるタイプのもの。お湯を沸かしたり煮込み料理をしたりするなど楽しむこともでき、本体の輻射熱で、より暖かくなるのだそう。
「暖かさとしては薪ストーブにはかないませんが、朝から点火しておけばペレットストーブだけで家全体を暖められます。」
共働きのm__koti.2さんは、夜帰宅して冷え切ってしまった部屋を暖めることになるため、補助暖房として灯油ストーブも併用されるそうです。
「ペレットストーブは、点火前に前日の燃えた灰を下の受け皿に落としてから点火します。1袋10kgのペレットの積み下ろしや毎日のペレットの補充など、手間がかかる面もありますが、そんなことが気にならないくらい、火で暖まる心地よさは格別です。」
ナチュラルで心地よいキッチンは旧居からの食器棚を活用

キッチンは対面式で立ち上がりの壁があり、コンロ前も壁になっているタイプを採用されました。
冷蔵庫やオーブンレンジなどの家電は、キッチン奥に行かないと見えないつくりになっています。
「本当はキッチン横にパントリーを設け、その中に持ち込みの食器棚を隠したいという希望がありました。ただ、間取りの都合上叶わなかったので、キッチンの奥に仕切り壁を作って冷蔵庫と食器棚を目立たないようにしてもらいました。」
旧居からの食器棚をうまく配置することで新旧を素敵に取り入れたキッチンになっています。
経験を生かしてつくったニッチが便利なキッチン壁

ダイニングテーブルはキッチンカウンターに横付けするという、ご実家や以前のお住まいでも慣れ親しんだスタイルに。
キッチンカウンターの仕様は様々なタイプががありますが、ご実家の物はカウンター板が壁から突き出ているタイプでデッドスペースがありました。また、以前のお住まいはティッシュなどの小物が置けないつくりのためダイニングテーブルに置かざる得ないなど、それぞれに使いにくさがあったそうです。
そのような経験を踏まえ、キッチンカウンターの前面の壁をふかすことでテーブルの幅と高さに合わせたニッチを作られました。
くり抜き窓がお洒落なワークスぺ―ス

ダイニングの後方にある壁の奥には、2畳ほどのワークスペースがあります。
LDKの一角にパソコンを置けるスペースが欲しいと思っていたところ建築士さんに提案されたのは、半個室の空間。
元々個室を希望していたわけではなかったそうですが、雑誌や書類などで雑多なものが多くなりがちなため、LDKと区切って良かったと思っていらっしゃるそう。

ブルーのアクセントクロスに飾り棚やホワイトのチェアが映える、爽やかな印象に仕上げています。
ダイニングとワークスペースを隔てる壁は、一部をくり抜いて窓を設けたことで、ワークスペースにいるご主人に声をかけるとひょこっと顔を出されるのだとか。

視線の抜けとつながりが楽しい空間設計

m__koti.2さん邸には、設計士より提案していただいたという室内窓やくり抜きニッチがたくさん用いられています。
リビングの吹き抜けの両側にはある室内窓は、寝室と洗濯スぺ―スのもの。風や光も通せる上に、見た目のアクセントにもなっています。
現場で位置決めをしたくり抜きニッチ

フリースペースと階段との間にある、2階のくり抜きニッチは施工直前に現場で位置を決められたといいます。
「窓やドアなどは図面上でイメージしやすいですが、ニッチや室内窓などサイズや位置を自由に決めてよいものはなかなかイメージがつきにくいので、現場で見て決めることができて良かったです。」
階段上部を一部腰壁にしたり、くり抜きニッチを配したりしたことで階段が明るくなり、照明はほとんど付けることがないそうですよ。
編集後記
ご自身の憧れを素敵に反映して家づくりをされたm__koti.2さん。
天井にシナ合板が貼られた吹き抜けの大空間は開放感に溢れ、とても居心地がよさそうです。そして、その天井を見上げると木枠で囲まれたくり抜きニッチがあり、ディスプレイされた小物たちが空間にアクセントをもたらしてくれています。
m__koti.2さん邸では、このようなくり抜きニッチや室内窓が豊富に使われており、空間に視線の抜けとあそびが与えられています。
くり抜いたり窓を設けることで、ただの「壁」をこんなにも素敵に大変身させられるなんて、家を建てるときに知っていたらぜひ取り入れたかったアイディアです。
とても印象的な空間設計になっていました。
m__koti.2さん、ありがとうございました。

■今回お話を伺わせていただいたかた
m__koti.2さん