注文住宅

「これ以上ない贅沢」と思えるこだわり空間。自然を身近に感じる温かいお家 – cerisier__huuuさん

各所の窓から四季の移ろいを感じられるcerisier__huuuさん邸の注文住宅。

どこを切り取っても絵になるこだわりの詰まったリビング空間や、デザイン性のあるクチーナキッチンなど、cerisier__huuuさんのセンスが至るところに感じられます。

回遊動線の水回りや、近年大人気となっているユーティリティースペースも必見です!

基本情報

お住まい:滋賀県

ハウスメーカー:ルポハウス1級建築士事務所
シリーズ:なし
構造:在来軸組工法(木造)

敷地面積:112坪
延床面積:43坪

家族構成:夫、妻、息子1人

打合せ回数
間取り:3回
内装:6回

どこを切り取っても絵になるリビングダイニング

「以前のマンションに住んでいた頃、リビングダイニングは家族で集まって過ごす時間がもっとも長い空間でした」とcerisier__huuuさん。

居心地のいい空間であることの必要性を感じていたのが、このリビングダイニングをつくるきっかけだったと話します。

「自分たちにとって居心地のいい空間とは何だろう?と考えた時に、“繋がりがありながらも、各スペースでの過ごし方を邪魔しない、ある種のプライベート性を持たせた空間”、というひとつの答えがでてきました。
リビングダイニングは“静”と“動”が混在する場所。例えば、キッチンで食事の準備をする・リビングで子どもが遊ぶなどは “動”、ダイニングで食事をする・リビングのソファでTVや映画を見る・PCを広げて作業をするなどは “静”、同じ空間で過ごす場合、それらの動作が交わってしまうと煩わしく感じてしまうこともあります」

「静と動を程よい距離感で保ちつつも、一体感のある空間にしたい」、という思いを詰め込んでリビングダイニングをつくられたそうです。

ピクチャーウインドウで四季の移ろいを感じる

“紅葉と桜をうまく借景すること”、が大切な設計条件だったcerisier__huuuさん邸。

「8年ほど東京に住んでいましたが、夫婦ともに子育ては自然豊かなところでしたいと思っていました。私の実家があるこの土地は、とても田舎ですが、四季の移り変わりを身近に感じることができ、その美しさを当たり前のように子どもにも肌で感じてほしいと思いました。
自然の景色をそのまま住まいに取り入れたいというのが、家を建てる際の最大の思いでもあった気がします」

スキップフロアのピクチャーウインドウや、リビングダイニング、寝室など、すべての居室から紅葉と桜がみえるよう設計されたそう。

ピクチャーウインドウとは、絵画のように屋外の風景を窓のフレームで切り取り、室内にその景色を取り込む役割を果たします。
四季の移ろいを目と肌で感じながら、インテリアとしてもたのしめるピクチャーウインドウ。とても魅力的ですね。

中と外の繋がりを持たせてリビングに視覚的広さを

「贅沢かもしれませんが、外の景色も含めて我が家の景色としたかったので、中と外の繋がりを持たせるため、天井に同じ材の板張りを採用しました」

室内にはチークのオイル塗装を採用されました。軒天は屋外で日照や雨風も受けるため、外装用のクリア艶消し塗装をされています。

「実はこれは着工後急遽変更した部分でして、設計士さんと現場監督さんには大変ご迷惑おかけした思い出の場所でもあります(笑)」

こだわり抜いたからこそ、より一体感のある天井となり、リビングに開放感と視覚的な広さを生み出しているのですね。

階段もインテリアとして愉しむ

「一戸建ての醍醐味は階段!と以前知人が話していたことが記憶に残っていたことと、階段の規則正しく並ぶさまが個人的に好きだったので、リビングダイニングにはシンボリックな階段を要望しました」

また、お子さんが2階の自分の部屋に行く際に、リビングダイニングを通ってほしかったというのもリビング階段を要望した理由だと話します。

「限りなくシンプルでありながらもオリジナリティのある階段にしたかったので、鉄骨階段の各部材がなるべく見えないようにした点、アイアンの手すりの形状など、設計士さんにたくさん無理を言いました(笑)」

また、片持ち階段の場合、片持ちの壁に振動が伝わるためクロスにするとひび割れが生じてくる可能性があると設計士さんから告げられ、エコカラットのストーングレースを採用することになったそうです。

木の踏み板とエコカラットのスタイリッシュな風合いが、バランスよくマッチしていますね。

プライベート空間のスキップフロア

「職業柄PCを広げる癖があったので、プライベート性のある空間を考えた時に、自ずと家を建てる際はスキップフロアを取り入れたいと思っていました。
リビングダイニングという同じ空間にいながら互いの存在は感じつつも、自分のやりたいこと(PC作業、読書、ゆくゆくは子どもの勉強など)に集中できるスペースとして設けました」

スキップフロアを採用することでリビングダイニングの一部が吹き抜けになり、空間に広がりも生み出されています。

これ以上ない贅沢な暮らし

「もう少しここをこうすれば良かったとわずかに思う点も含めて、とても愛しいお家になりました。この家を建てるまでの道のりが長かったので、実際にできあがったこのお家に住んでいること自体が感慨深く、日々がとても充実しています。

あれもこれもと、ほぼすべての要望を詰め込んでいるので、これ以上ない贅沢をしている感覚です(笑)。休みの日もどこかへ出掛けたいと思うよりも、なるべくこの家で過ごしたいと思っています。春はお花見、夏はお家プールや水遊び、秋は紅葉狩りやお月見、冬は雪遊び。お家にいながら季節の遊びを楽しめることはとてもありがたいことです」

“これ以上ない贅沢な暮らし”と思えるなんて、本当に憧れますね。

北欧テイストのクチーナキッチン

「家事のなかで最も苦手な料理を何とか楽しくしたい!」という気持ちから、家を建てるときはキッチンにはとことんこだわる決めていたcerisier__huuuさん。

「以前住宅業界で働いていた頃から、各大手メーカーの最新キッチンは隈なくチェックしていました。そのなかでオーダーキッチンへの憧れが強くなり、計画当初は地元家具屋さんでキッチンをオーダーしてもらう予定にしていました」

工期や保証の面で弊害が出てきたため、それならと世の中にあるキッチンメーカーをすべて見るくらいの感覚で毎日キッチンを探していたと話します。

「その中で見つけたのがクチーナのマリボー。一目惚れに近い感覚で、直感的に採用しました」

使いやすさを重視!セミオーダーしたバックセット

「キッチン本体のデザイン性は間違いなかったので、代官山ショールームにあった仕様をほぼそのまま採用しました」

バックセットは使いやすさと収納量を重視し、以下の4つを条件にセミオーダーされたそうです。

1.浅い引き出しがたくさんある
2.引き出しが奥までしっかり引き出せる
3.レールが安定していてソフトクローズがついている
4.ゴミ箱を隠すことができる

以前の住まいは開き戸収納だったため、奥の食器が取り出しにくい、掃除の際はすべての食器を取り出さないといけないなどプチストレスだったそうですが、今はとても快適となっているそうです。

IH側の壁面はタイルでアクセントを

「キッチンの奥行が1050で、キッチンパネルにすると継ぎ目がでてしまうことから、イタリアのリビエラのタイルを採用しました。洗面のタイルをショールームに見に行った際に見かけ、シンプルながらもタイル一枚一枚に動きがあり、こちらもほぼ一目惚れで即決しました」

たくさんのものを見たからこその運命の出会い。実際に目にした際の直感も大切ですね。

冷蔵庫とパントリーの位置

「IHの横にある一畳ほどのパントリーに冷蔵庫を置き、食品ストックも収納しています。また、各リモコン類、インターホン、給気シャッター、床下収納庫もパントリーに集約しています」

その他に、携帯の充電スペース、保育園のお便り、カレンダーなどもパントリーに収納。

リビングダイニングからは見えないよう少し奥まっているため、多少ごちゃごちゃしていても気にならないのは嬉しいですね。

バックセットの一部を飾り棚に

「収納力を重視したものの、インテリア的に一部小物や植物が飾れる部分がほしかったので、吊り戸横に棚受けが見えないように棚を2段オーダーしました」

キッチン前面の引き出しと同じオークで色を合わせ、キッチン全体の統一感を出しています。少しのスペースでも飾り棚があると、季節のインテリアなども楽しめますね。

理想のキッチンでの暮らしは

「このキッチンを見つけることができたときは本当に嬉しかったです。料理が得意になったとまではいきませんが、毎日当たり前にキッチンに立つことができています。主人は家づくりを検討している友人に“キッチンは奥さんの思い通りにしたほうが絶対美味しいものがでてくる!”と言っているそうです(笑)。
家づくりで最もこだわった場所のひとつでもあり、とてもお気に入りのキッチンです」

毎日立つキッチンがお気に入りの空間だと、日々のモチベーションに繋がりますね。

回遊動線で叶えた快適空間

cerisier__huuuさん邸の水回りは回遊動線にされ、家事効率を上げています。

「回遊動線については設計士さんが提案してくださいました。ユーティリティーと中庭はほしかったので、うまく家事動線内に取り入れてくださって嬉しいです。来客も想定していたため、洗面台と脱衣室は別に。なるべく各所をすっきりさせることは、ハイドアや造作洗面を採用することで実現できたと思います」

そんな回遊動線となる水回りについて、詳しくお話していただきました。

ドアの存在感を隠すハイドア

好きな建築や住宅を見て、1階の各所ドアは白のハイドア、サッシもすべて天井の高さのハイサッシ、と決めていたcerisier__huuuさん。

「ドアの存在感を消したかったという狙い通り、実家の家族が来たときに「ここにドアがあったのね!」と今でも驚かれます(笑)」

真っ白な壁と一体化したハイドア。垂れ壁がないため視線が抜け、開放感が感じられますね。

独立した洗面室で来客にも困らない

玄関から洗面台までがひと続きのため、来客時に生活感を隠すことができるようにと洗面台と脱衣室はわけて設計されています。

「洗面にはアイカ工業のスタイリッシュカウンターとリビエラのタイルを採用したかったので、それらに合うように引き出しなどは造作してもらいました」

細部まで妥協せずとことんこだわられたcerisier__huuuさん。ぜひ参考にしたいですね。

ユーティリティーと外干しスペース

洗濯は外干し派のcerisier__huuuさん。動線にはとてもこだわられたそう。

「ユーティリティーには大人の肌着と子どもの服を収納するスペースを設け、脱ぐ→洗濯→干す→畳む→しまう、がすべてこの場所で完結するようにしました。
また、子どもが小さいうちは手洗いで洗うものも多かったので、スロップシンクを設けました」

ユーティリティーには充分な日照と風が入ってくるよう設計されています。また、ハイウォールの中庭を隣接させたことで、人目を気にせずいつでも外干しができるそう。考え抜かれた設計に脱帽です!

お風呂からの眺め

「ユニットバスには浴室乾燥機などはつけず、その他もほぼ標準のものを選びました。ただひとつこだわったのは、浴槽に入った時に中庭のソヨゴが眺められるように設計してもらったことです」

緑の見える浴室は、贅沢を感じるプライベート空間になったそうです。

回遊動線で効率の良い家事

「回遊動線は本当に便利です。家事をしているとき微妙な空き時間があるのですが、その時間も無駄なく使えているのはこの間取りのおかげだと思っています。
中庭とユーティリティーのおかげで、日々の洗濯も清々しくできています」

気分よく家事をできるというのは、生活を豊かにするポイントだと話してくれました。

家づくりをするうえで、ぜひ覚えておきたいですね。

編集後記

細部までとことんこだわられ、ほぼすべての要望が叶えられたcerisier__huuuさん邸。

“これ以上ない贅沢な暮らし”とお話していただき、そのすてきな暮らしぶりに終始惚れ惚れとしてしまいました。

また、回遊動線の水回りはハイドアですっきりとされ、開放感を演出されているアイディアは目から鱗でした。

近年人気のあるユーティリティースペースの使い方も参考になりましたね。

cerisier__huuuさん、ありがとうございました!

■今回お話を伺わせていただいたかた
cerisier__huuuさん

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