注文住宅

LDKから広がる暮らしの動線と、家族と共に成長するロフトのある家 – arika_919さん

家族みんなが集まりたくなる日当たり良好のリビングを中心に、将来的な生活スタイルの変化も念頭においた間取りの工夫に溢れたarika_919さんの注文住宅。「一生暮らしていく」という家族と家との関係をうまく形にしたナチュラルな雰囲気や動線は、家族のためにとこだわり抜いたゆとりの感じられる素敵な空間でした。

基本情報

お住まい:関西

住宅メーカー:地元中堅ビルダー
構造:金物接合工法・GVA付

敷地面積:52坪
延床面積:40坪

家族構成:夫、妻、長女、次女、長男

打合せ期間
間取り:3ヶ月
内装:2ヶ月

「家族が集いやすい」をテーマにしたLDK

arika_919さんのお宅は、ご本人と旦那さん、3人のお子さんたちの5人家族。ですが旦那様は転勤族で現在単身赴任中なのだとか。

ー旦那さんが転勤で、一緒に暮らせないということから家づくりに対してある想いがあったそうですね。

arika_919:「そうなんです。マイホーム計画中は家族で暮らせていたのですが、将来的に夫は単身赴任を余儀なくされる環境でした。そのため、たまに帰省するであろう夫を中心に家族が集う、夫がいなくても私と子供たちが絆を深めていける、また、子供たちが大きく成長してもリビングで家族が集まりやすい家にしたいなぁという想いがありました。」

優しい光をたっぷり取り込む、半吹き抜けの無垢床リビング

幼い頃から、将来住む家は無垢床にしたいと思っていたarika_919さん。お子さんが生まれ、子育てをしていく上で無垢への憧れはさらに大きくなったそうです。

「無垢床は、水に弱く傷になりやすい、隙間があいてしまうというデメリットもありますが、足触りがよく、急激な温度変化や不快な湿度から守ってくれるというメリットもあります。これらを理解した上で、新居にはやはり無垢床を採用することを決めました。」

そうして1、2階の洗面とトイレを除く全ての床にパイン材を白塗装した床材を採用されました。キッチンは、水跳ねを気にするストレスを考え、スペースシャトルの断熱材にも使用されている丈夫なコルク材を採用。

「せっかく無垢を採用したのだから、キッチンの床も同じく自然なものがいいなと思い、コルクを採用しました。」

子供たちには自然のものに触れさせたい、という想いを形にされましたね。

ー無垢床以外にも、リビングを考える上で譲れないポイントがあったそうですね。

arika_919:「そうですね、とにかく明るいリビングを目指していたので、日当たりを重視しました。リビングは南向きなのですが、隣家との距離を十分に空けて取ることで、さらに日当たりが良くなるように工夫しました。」

また、半吹き抜けの構造を採用して、FIX窓からも光を取り込めるように。そのほかにも、リビング階段を採用して、リビングを通らないと2階に上がれない間取りから、自ずと家族がリビングに集う仕組みにされたそうです。

家族のことを考えた横並びのキッチン・ダイニング

転勤族のため、引っ越し回数が多く、様々なレイアウトのキッチンを使用した経験から、新居ではキッチンとダイニングが横並びの動線を選んだarika_919さん。それには、「子供がお手伝いしやすい」「配膳がしやすい」「家族の様子がわかりやすい」という理由があったそうです。

「対面キッチンを経験しましたが、都度カウンターを回り込まなくてはいけない動線が私には合いませんでした。壁付けのキッチンは子供たちの様子がわかりづらかったです。キッチン・ダイニング横並びのレイアウトは経験したことがありませんでしたが、入居後のイメージのシミュレーションを繰り返して、これしかない!と考えました。」

実際に暮らしてみると、キッチン・ダイニングのアクセスは想像以上に良いそうです。子供たちもお手伝いがしやすく、家族との距離も近い、大満足なレイアウトなのだそう!毎日何度もアクセスするキッチンからの動線は、やっぱり気軽な方がいいですね。

小さな子供とお客様のための和室

arika_919さんのリビングの横には、4.5畳の和室があります。まだお子さんが小さかったので、お昼寝やおもちゃで遊ぶスペースとして設けたそうです。

「リビングにお昼寝布団やおもちゃが散らかって欲しくなかったので、作って良かったと思っています。扉もつけたので目隠しにもなり、実際、親やお友達が泊まりにきてくれた時の客間として使用する時に扉が役立っています。」

今では、未就園児の息子さん専用のおもちゃスペースと、お姉ちゃんの電子ピアノを置くスペース、また客間としても活用していらっしゃるそうです。

暮らしてみて

「今はまだ子供たちが小さいということもあり、家族のおうち時間はリビングで過ごしています。」

日当たりの良さに配慮したリビングでは、休日の朝はみんなでヨガをしたり、昨年設置したウッドデッキでBBQをしたり、リビングが思い描いた通りの家族の集の場になっているそう。

キッチン・ダイニングの横並び動線も、arika_919さんがキッチンに立っていると子供たちが集まってきてみんなでお手伝いしてくれることも多く、とても気に入っているそうです。

利便性を詰め込んだこだわりの玄関ホール

ー引っ越しを繰り返した経験から、リビングに入る手前の玄関ホールに、つくっておきたいものがいくつかあったそうですね。

arika_919さん:「そうなんです。実は譲れないポイントが4つありました。」

今回は、こだわりを形にしたその玄関ホールについて詳しくお伺いしました。

1つめ:誰でも気軽に使えるトイレ

「トイレは、絶対に玄関ホールに作りたかったもののひとつです。」とarika_919さん。

お子さんには必ず、お出かけ前にトイレを促している習慣や、帰宅後すぐにトイレを使用することができるように、玄関ホールにトイレは譲れなかったひとつだったのだそう。

それ以外にも、お友達が不意に使用することになっても、リビングを通らずに使ってもらうことができることや、その際に音など気にせずに使用してもらえるという理由を教えてくださいました。

おっしゃるとおり、小さいお子さんがいると玄関にトイレがあるととても便利そうです。

2つめ:まるでカフェのようなステキな造作洗面台

「2つめは洗面台です。これは帰宅後すぐに使える手洗い場が欲しかったという理由からです。」

こちらも、習慣化している「帰宅後すぐに手洗い・うがい」に対応して希望しました。また、トイレ後の手洗い場も考え兼用して造ったそうです。

「わが家はお風呂&洗面所が2階なのですが、この洗面台は家族が使うプライベートな空間に入らずに誰にでも使ってもらえるというのが利点です。そして手洗いだけに使用する場所ですから、憧れだった造作洗面台にしました。」

そう話すarika_919さんの洗面台は、海外製の洗面ボウルにレバー式のハンドル、ナチュラルカラーのタイルとミルクシェードランプでおしゃれに造作された素敵なスペースです。レバー式のハンドルは3歳の息子さんでも使いやすい設計になっているそうですよ。

3つめ:リビングに持ち込まない玄関のクローゼット収納

「3つめは、クローゼット収納です。」

間取りの都合上、今主流の土間収納が取れなかったというarika_919さんのお宅。その代わりに、クローゼット収納はしっかりと確保されたそう。これは、玄関には玄関でしか使用しない(リビングに持ち込む必要がない)ものがいくつもあると思っていたからと話してくださいました。例えば、ガーデングッズやアウトドアグッズ、マスクや靴下の細かいものまで考えられるといいます。

ーたしかに、玄関で使うものをわざわざリビングに収納する必要性は少ないですね。ほかにはどんなものが考えられますか?

arika_919:「ほかには、住み始めたあとのことを想像して、子どものための身支度スペースも玄関に設けました。わが家はワンオペなので、自分のことは自分で管理してもらうためには絶対に必要なスペースだと考えていました。」

少し大きめのクローゼットには、ランドセルをはじめ、靴下やハンカチなどのアイテムがお子さん別に収納されていました。これだと誰にでもわかりやすく、小さいお子さんでも進んで身支度ができそうですね。

4つめ:リビング横にある、自分だけの趣味の部屋

「最後は、玄関ホールではないのですが、玄関からリビング入ってすぐ横のスペースに私のための趣味の部屋を設けました。」

これは、設計当時、自宅にてネイルのお仕事をしていたためにお客様が来ても玄関からアクセスがしやすいこと、リビング横なので子どもたちの様子もわかりやすく篭りやすい…という点から、この位置の間取りになりました。今現在ネイルのお仕事はしていないそうですが、趣味のミシンを出しっぱなしにしたり、好きに飾り付けてご自分だけの特別な空間を楽しんでいるそうです。

生活スタイルの変化も考慮した間取り

玄関に設けたトイレ・洗面台・クローゼット、そして趣味部屋。どれもarika_919さんのお宅の生活スタイルになくてはならないものでした。

「子どもたちはお出かけ前と帰宅後に必ずトイレや手洗いの習慣がついています。特に洗面台はコロナ禍のまさに今、作っておいて大正解でした。クローゼット収納も上の姉妹が小学生なのですが、ランドセルや身支度をこちらで完結できる収納の仕組みになっているので、リビングに子どもたちのものが溢れかえってしまうということもありません。」

新居計画中に、変化するであろう生活スタイルに対応した間取りを熟考されたからこそ、きっと築5年経ったいまも満足いく動線を確保できているのですね。

可変性のある間取りを思い描く

「『家は一生もの』と考えていて、家族の生活スタイルに合わせて一緒に成長していければと、できる限り可変性のある空間を夢見て間取りを考えました。」と話してくださったarika_919さん。

ー具体的にはどのようなことですか?

arika_919さん:「リビングの日当たりを重視するために、半吹き抜けの構造を採用したのですが、そうすると吹き抜けの上部にスペースができたんです。このスペースを利用して、フリースペースの意味合いでロフトを設置しました。」

なるほど。可変性を考えて、部屋を余分に確保したわけですね。

arika_919さん:「他にも、設計当時はまだ長男は生まれていなくて、子供は上の姉妹だけだったので、子供部屋は2部屋しかない必要ない状態だったのですが、子供が巣立った後のことも考えて、間仕切りには扉を採用しました。」

子ども2人、姉妹幼少期の子供部屋とロフト

隣接する2部屋の子ども部屋は、壁ではなく2枚扉で仕切られる造りにしました。まだ子どもたちが小さい時は部屋を区切らずにオープンに使用できて、各々で使用するようになった時に、扉で仕切られるようにと考えましました。

姉妹が幼い頃は、ひと部屋に子供用ベッドを並べて二人一緒に寝ていたそうです。そしてもう一方の子供部屋を、洗濯物の部屋干しスペースとして使用。そのころのロフトはまだフリーの状態で、荷物を置くスペースとして使用されていたそうです。

長男が誕生をきっかけにロフトを活用

3年前、長男が生まれるのをきっかけに荷物置きのスペースだったロフトを姉妹用のプレイスペースへと活用することに決められたarika_919さん邸。

それまで姉妹のおもちゃは和室に収納していましたが、和室が赤ちゃん用の部屋になることと、散らかった小さなおもちゃを赤ちゃんが誤飲してしまわないようにと考えたそうです。

「IKEAのトロファストを壁の両脇に並べて化粧板を渡して、おもちゃ収納とちょっとした作業台にしました。リビングとは違い、ロフトだといくら散らかっていても気にならないから、育児のイライラが解消した記憶があります。子供たちも当時、自分たちだけの遊び場ができたととても喜んでいました。」

こうやって、お子さんたちだけの秘密基地の完成です。

次女が小学校入学を機にさらに変化

長女の学年が上がり勉強机が必要になったこと、次女も小学校に入学し姉妹がそれぞれの部屋にベッドを置いて寝るようになったことなど、生活スタイルに変化が出てきました。

「とは言っても、扉をオープンにして寝ているので、ベッドは変わらず隣り合わせのままなんですが。笑」

ーですが、子どもたちがそれぞれに部屋を使うと部屋干しスペースとして使用できなくなりますね?

arika_919さん:「そうなんです。なので今度はロフトを部屋干しスペースへと活用することにしました。」

そこで旦那さんにDIYをお願いして、両壁に《Toolbox》のアイアンバーを設置。天井高が低いこともあり、設置した商品は棚下吊タイプで十分手が届くそうです。とはいえ、洗濯を干していても、子どもたちが遊んでいても緩衝せず問題なく過ごすことができるそう。

「ロフトは階段室のパブリックスペースのオープンな場所に設置しているため、洗面所からのアクセスもよく、濡れた洗濯物を運ぶ手間も全然苦ではありません。」

おっしゃる通りの、生活スタイルに伴う可変性を持たせた間取りに脱帽です。

ロフトのある暮らしについて

「子供部屋は、仕切り次第で広くも狭くも使用することができますし、天井高が低く、懸念しがちなロフトも、それを生かして子どものためのプレイスペースや洗濯干しスペースとして活用することも可能です。子どもたちが成長していつかは巣立っていくように、家も形を変えて家族とともに変化していける間取りに、大変満足しています。」と話してくださいました。

お子さんの成長とともに、お部屋の使い方も少しずつ変わっていくもの。そんな変化を前提とした間取りを設計することが、長い間、家族一緒に楽しい時間を過ごせる秘訣なのかもしれませんね。

編集後記

「生活が変わっても、いつまでも家族が集うリビングでありたい」をいちばんに考えたarika_919さんのお家。

そしてそのリビングから広がる家族の暮らしやすさへのこだわりが感じられる素敵なお宅でした。今だけじゃない、将来を見据えた間取りの工夫は、ご自身が何度も引っ越しを繰り返した経験が生かされているのでしょうね。
また、目的によって様々な用途に変化するフレキシブルなロフトのあり方についても、家づくりの参考になりました。

arika_919さん、ありがとうございました。

■今回お話を伺わせていただいたかた
arika_919さん

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