注文住宅

黒皮鉄やモールテックスを使ったキッチン。回遊動線の水回りで「家事を楽しむ」おうちづくり – ak___igさん

ハウスメーカーのおうちでありながら、デザイン性の両立も叶えたak___igさん邸。黒皮鉄やモールテックスを用いたキッチンに、窓のないお風呂が生んだ回遊動線。注文住宅ってここまでできるの?をかなえたお家は、住まうことが楽しくなるポイントであふれています。

基本情報

お住まい:大阪府

ハウスメーカー:積水ハウス
シリーズ:シャーウッド/ザ・グラヴィス

構造:在来軸組工法(木造)

敷地面積:62坪
延床面積:37坪

家族構成:夫、妻、息子2人、娘1人

打合せ期間
間取り:1ヵ月
内装:2ヵ月

開放的で過ごしやすい2階リビング

最初の画像からもうなにも言わなくても察せるくらい、それくらいステキなおうちにお住まいのak___igさん。しかし、以前のお住まいが1階リビングで、それをとても後悔されていたそうなんです。

「住宅街という事もあってお家に囲まれる事は承知だったのですが、後ろに建った家がギリギリまで我が家寄りで立派なお家を建てたので、日を遮られ、とっても暗くなり、日中でも電気をつける暮らしになってしまいました。
子ども達が遊べるようにリビングから繋がるテラスも作りましたが、人目を避けられない環境だったので、カーテンを開けて家の中から遊んでる姿を眺めてお茶…なんて事も一切できずやりたかった事がほとんど叶えられず、本当に後悔しました。」

そんな経験を踏まえて、今回おうちを建てる際は、迷わず2階リビングを選ばれたそうです。

「今回はリビングを2階にすることで、外からの視線をすべて遮断し、完全なプライベート空間を作りました。窓の位置にもこだわっていて、お向かいのおうちの2階からですら中は全く見えないようになっています。」

そうおっしゃるこだわりのつまったお宅は、開放感にあふれつつ、デザイン性に加え機能性も兼ね備えた、見惚れるようなおうちに仕上がっています。

開放感あふれる広々としたテラス

ak___igさんのおうちのリビングを拝見してまず目に飛び込んでくるのが、壁一面の窓前に広がるテラス。

2階リビングでありながら、″外とのつながりも欲しい”と作られたテラスの広さはなんと13畳!プールをしながらBBQもできてしまうその広さは、愛犬のドッグランとしても大活躍だそうです。

「壁を必要以上にハイウォールにする事で、空しか見えないテラスとなりました。ハイウォールは費用がとにかくかかるので悩んだ瞬間もありましたが、安全面や防犯面でも妥協しなくて良かったなとつくづく実感しています。」

造作のベンチでソファーのない暮らしを楽しむ

「造作ベンチを作ろうとしたキッカケは、テラスとリビングをフラットにつなげるためにはベンチのような小上がりができるよ、といったとても単純な事からでした。当時はベンチのある家が少なくてあまり想像できませんでしたが、今となってはなくてはならない存在で、家族みんなのリラックスする場所になっています。」

リビングとテラスをつなぐ際に高低差ができてしまうというデメリットを”造作ベンチ″を作ることで見事に解消し、より過ごしやすい空間を実現されています。

ベンチがあることでソファーを置かずに済むため、リビングがスッキリと広く見えるうえ、掃除も楽ちんなんだとか。家事の合間についつい横になってしまうこともあったりするそうです。

高窓で視線を気にしない暮らしに

外からの視線を一切気にしなくて良いように配置した高窓。窓の上部を天井のラインに合わせることでスッキリと見え、空しか見えない窓になっているそう。

「ここから見る青空や夕日が特に好きで、4枚のアート作品のようでついつい見惚れてしまいます。」

2階リビングで大活躍する「室内コール」

2階にLDK、1階に個室や水回りを集約したという間取りのak___igさん邸。「子ども達は1階にいる事が多く、声を掛けたい時はわざわざ1階に降りないと聞こえないので、これは絶対にイライラポイントになるぞ!と見据えて(笑)設置しました。」という室内コール。

室内コールは声掛けだけでなく、インターホンも受けることができるとのことで、「ご飯できたよ~」や「宿題終わった~?」など気軽に会話をするほか、来客の際わざわざ2階に上がらずに対応することもできるのだそう!

2階リビングで気になるちょっと大変なことも、室内コールがあればストレスフリーにるという、おすすめの設備だそうです。

2階リビングの家に暮らして

「2階リビングって将来どうなの?」と老後のことを心配するご質問を受けることが多いというak___igさん。

「私はもう一度お家を建てる機会があるとしても迷わず2階リビングを選ぶと思います。」と断言してくださりました。

「老後の為に家を建てるよりも、今の私達が満足する家を作るのが本当の満足する家だと思うからです。ましてや老後もこの家に住むとは限りませんし、時代は常に進化しています。リノベーションやリフォーム事業も今後もっと自由度がきく時代になっているはず。「その時の時代の流れについていけば良い」そういつも思って生きています。こうしたいけど老後が心配、、老後の為にこれを作っておこう、、。この考えは正直いらないと思います。”今の自分を一番に満足させてあげる事が、後悔しない良い家を作る”家づくりはもちろんですがどんな状況でも私はいつもそう思っています。」とその理由をお話してくださいました。

カフェのようにお洒落であり、お子さんのことも想ったオープンキッチン

主流は”対面キッチン”と言っても過言ではない今、あえて”壁付けのオープンキッチン”を選んだというak___igさん。その一番の理由が、対面キッチンの回り込む動作が不便に感じたということ。

「「子どもの姿が見えなくて不便じゃないですか?」と聞かれた経験もありますが、「逆に、振り向かないんですか?」とお聞きしてしまいます。料理中ずっと前を向いているのかといったらそうではないですし、人間の視界は狭くないので、子どもの様子は壁付けキッチンでも充分に見れています。」

「それよりも万が一子どもに何かあった時、すぐに子どもに駆け付けてあげられるのは、遮るものが何もない壁付けキッチンだと私は思います。そんな私のたっての希望で壁付けのオープンキッチンを選びました。」と話してくださいました。

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≪キッチン本体仕様≫
タイプ:壁付けタイプ(オープンキッチン)
メーカー:オリジナル(造作キッチン)

造作キッチンでインテリアの一部に

オープンキッチンでのデメリットといえば、生活感が出てしまいやすいこと。そんなオープンキッチンですが、インテリアのひとつとして、あえて存在感を出す作戦で、生活感を感じないお洒落なカフェの様に仕上げていらっしゃいます。

「お皿やツールひとつでも丁寧に選ぶことで、たとえ出しっぱなしになっても違和感なく溶け込むのが造作キッチンのすごいところ。我が家はモールテックスと木材を組み合わせて作ってもらいました。当時はあまり使用例がなく、ハウスメーカーでも初の試みで難題だらけでしたが、熱意ある営業さんのおかげで理想が形となりました。」

「やはり既製キッチンに比べると収納はかなり少ない上にお手入れも大変ですが、それ以上に一から手がけて頂いたという愛着が勝るので全く後悔はありません。」

モールテックスのキッチン天板

キッチン天板は水に強いと言われている”モールテックス”をチョイス。

「水に強いといえど、今後長く使用する上では多少の経年劣化が生じてくるので、トップコート剤を定期的に塗っています。」と、普段からこまめなお手入れを心掛けているそうです。

「以前ハウスメーカーの方が来客した際は「料理してないみたいにすごく綺麗に使っている」と褒めていただきました。それってどう言う意味ですかと思わず突っ込んでしまいました(笑)」と、クスッとくるエピソードも。ですが、定期的なお手入れを欠かさないことで、オシャレでありつつ長く使えるステキなキッチンを維持してらっしゃるak__igさんには脱帽です。

黒皮鉄を使った「唯一無二のキッチン壁」

キッチン壁は黒皮鉄という素材を使っているそうです。黒皮とは、その鉄の材料を作る際に圧力をかけて延ばす過程で自然と発生する酸化被膜のことです。色の濃淡やムラに個体差があらわれるため、ひとつとして同じものができないんだそう。

「「唯一無二のキッチン壁」これを担当さんに聞いた時、絶対に我が家で使いたいと固く決め今に至ります。もちろん鉄なので経年劣化で今後サビてくることもありますが、それも味となり我が家となっていくので、そのサビも今後の楽しみの一つです。とは言いつつも、趣味が変われば簡単にリフォームしてイメージチェンジできるのも壁付けキッチンの魅力です。」

造作キッチンのある家からお伝えできること

「私は元々モノを持たないタイプなので問題ないのですが、造作キッチンはとにかく収納が少ないです! ですが、その分キッチンアイテムを最小限でやり過ごせる力も身につくので、嫌でも今人気の”シンプルな暮らし”ができるようになります(笑) 造作キッチンはオンリーワン感が強いので、このキッチンといったら我が家!と言ってもらえることもあり、とても嬉しくなります。」と話してくださったak__igさん。

こだわりを反映させることにより、ひと目で自分のおうちと気づいてもらえるのは、なんだか誇らしい気持ちにもなれそうです。

考え抜かれた水回り動線

窓のないお風呂という選択

注文住宅を建てるとき、お風呂は外壁側に置くことが当たり前かのように間取りを作っていくことが多いと思います。そんな中、あえて外壁側ではなく窓のないお風呂にされたというak___igさま。

「ハウスメーカーの内覧会でも特に驚かれるのが、お風呂が外壁側に面していない1階の間取り。でもよく考えてみて下さい。マンションもお風呂に窓がない場合が多いんです!そう思うと窓は無くても特に不便しないだろうと思い、思いきってこの間取りに。これが本当に大正解!窓からの寒さや暑さもなく、365日ずっと快適です。お風呂の窓は換気をすると、意外と鍵を閉め忘れたりする事があるらしく、防犯面でも要注意なところ。お風呂の窓からの灯りで今リビングに誰もいないよ、と教えてしまうのも窓なんです。お風呂に窓をつけないだけで防犯的にも安心感が大きいのも魅力です。」
と、防犯面の観点からもお話してくださいました。

お風呂を外壁側に、という固定概念にとらわれないと、間取りの自由度も高まりますし、窓がないことで得られるメリットもあるのですね。

窓のないお風呂はガラス戸で過ごしやすく

窓がないお風呂を採用したことで懸念される閉鎖間はガラス戸を採用することで解消されています。
また、ガラス戸の通路越しには掃き出し窓を設けることで、日中は掃き出し窓からの明かりだけでお風呂に入れるぐらい明るいそうです。

この掃き出し窓は、採光だけでなく、「サッカーから帰宅してきた息子もここの掃き出し窓から直接お風呂場に行けるので、お家がドロドロになる事もありません。」と、スポーツ後のお子さんが居室を汚さずお風呂にはいれるというメリットも。
「2階リビングですが、お風呂場は1階にして大正解でした!」という、とても使いやすいお風呂になっています。

暮らしやすさを実現しているのは「お風呂を中心とした回遊動線」

1階の間取りは、お風呂を中心に、個室、家族用のWIC(ウォークインクローゼット)、水回りがつながる回遊動線になっているそうです。

建具を使用しない分コストが抑えられ、区切りがないのでムダなく最大限にスペースを使えるのも魅力なんだとか。

「おかげで家族WICは充分な広さを確保でき、まだまだ余裕があるほど。我が家は5人家族なのでよく洗面台が渋滞するのですが、左右から抜けれるのでギューギューになる事もありません。」

回遊動線の途中には、家族用WIC

家族の衣類はすべて、この家族用WICの一カ所に収納しているそうです。一番嫌いな家事が、洗濯を畳んで収納すること!と言い切るak___igさまは、ただでさえ畳む作業は大変なのに、各部屋に収納しに行くのは更に大変だ!と思い、家を建てる際は絶対に家族用WICを導入しようと決めていらっしゃったそうです。

「衣装ケースは単なる偶然ですが、計ったっけ?っていうぐらいシンデレラフィットで絶叫しました(笑)」とおっしゃるWICの収納もとても美しいです。

暮らしてみて

Instagramでは、主に2階のLDKを中心に投稿されているak___igさま。その美しさから、LDKが一番のお気に入りかと思いきや、実はこの1階の間取りが一番なのだそうです。

「人生の中で最も夫婦の時間が長いと思っているので、我が家は夫婦だけになってもスペースを持て余さず、暮らしやすい間取りになったかと思います。」とおっしゃるこの考え抜かれた間取り。またとない作りは、これからおうちを建てられる方の選択肢を増やしてくれること間違いなしです。

編集後記

素敵なお家に暮らしているak___igさん。

実は、おうちを建てられるのは2件目だったとか。「木の温かみがある中に無機質な素材をプラスしたナチュラルモダンな雰囲気」をテーマにした内装は、ハウスメーカーでもこんなにもデザイン性あふれる住宅を建てることができるのだという、自信すら感じます。

また、私、ryuryu_homeが家を建てる際、「お風呂は当然外壁側」という固定観念に何の疑問も抱いておりませんでしたが、初めてak___igさまの窓のないお風呂を中心とした間取りを拝見たとき、とても衝撃だったことを覚えています。

今まで当たり前のようにそうしてきた固定概念のようなものを取り払って考えてみることも、素敵なお家をつくる際に重要になってくるのかもしれませんね。

ak___igさん、ありがとうございました!

■今回お話をお伺いさせていただいたかた
ak___igさん

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